2章:哀悼を捧げる7 ページ8
…なるほどね。
基本的には、人間の急所は顔に集まってると。だから、相手を倒すって意味で顔を狙うと良いんだね。まあ、目·耳·鼻·口·脳…頭パーンされたら生き残れないのがわかるくらい急所だらけだもんね。
あとは、守るときは腕を使うと良いと。とっさに守りやすいし、足は逃げるのに必要、頭は全部急所、胴は内臓があるから守るべき…ね。
ってか、根本的には戦わずに逃げた方が生存率上がるんだね。そりゃそうだけどさ、相手は殺す準備してる状態なわけだし、抵抗するより逃げた方が良いのはわかるよ。でも、そんな本の内容全否定なこと初めに言わなくても良いじゃん…売れないよ。
あー…行きたくないよ、アオリさん…どうして私なんだい?
いや、合ってる…狼じゃないし、合ってるんだけどさ。
これ私の言った言葉で展開変わってくるでしょ。…いや、いつもそうか。
ユキナリ「あ、あの…Aさん?」
…あ、今、私、一人…
つまり、ユキナリ君が来るってことじゃん!?
いや…冷静に断ろう。大丈夫、ユキナリ君は無理強いしないから。
『あれ?コーヒーなんて持ってどうしたんです?』
ユキナリ「…いや、Aさんと一緒に飲めたらな…と思いまして。
ほ、ほら、お昼のときのお礼がまだだったので…。」
うわーん、ユキナリ君言い訳考えるの上手すぎ!
断れなくなるから止めて!!
…いや、逆にチャンスかな?これは、殺人を完全に止めるチャンスでは?どこかで"ピンチはチャンスだ"って聞いたことあるし!
こうなったら勘違いを起こした風に殺人を止めてやる!
『あの…死したいなら他人を巻き込まないでください。
そのコーヒー…毒が入っているのでは?』
ユキナリ「そ、そんなことないですよ!普通のコーヒーです!」
『…でも、武器庫で毒を手に取るところを見たんです。
貴方が狼で僕を殺しに来たのか、羊で僕を道連れに死にに来たのかは知りませんが…その毒では人は殺せない。』
そう言い終わる前に立ち上がり、彼に近づく。
毒を持っている場所は大体想像がつく。
ユキナリ君は大きめのパーカーを着てるし、その下のジーンズのポケット…原作でオサムさんが入れた所が一番可能性が高い。盗んだものなら元の位置に戻すのが基本だろうしね。
…ビンゴ。おそらく原作と変わらない、経口接種では死なない毒が見つかった。
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作者名:トランスウォランス | 作成日時:2023年10月15日 0時