2章:哀悼を捧げる4 ページ5
コウ「ああ、だから"今回は"と言っただろう?
…俺からの取引だ。」
…?
何言ってるんだこの人は…わざわざ一度蹴ってから提案するとか、絶対私に不利になるような条件が入ってるだろ…。そんなの受けるわけが…あるんだよな。ここで断ると本当に計画が狂うし。足元みられてますね、これ。
コウ「あんたの案にさらに、"俺の身の保証"も追加しろ。
お互いに殺されない·吊られないようにする。それでどうだ?」
『あ、あれ?案外悪い案じゃない…。』
コウ「当たり前だ。俺が絶対に断られるような案など出すバカに見えたのか?」
『いえ…それで構いません。取引成立です。』
コウ「下手に動き回らず、俺についてこい。
そうすれば殺されることはないはずだ。」
『自信過剰過ぎません?そうさせていただきますが…。』
そもそもコウさんは単独でも死なないでしょ…とかは思ってはいけない。…でも、何で身の保証なんて出してきたんだろう。もしかして、"吊られない"…これが欲しかったのか?自分が狼になったときのために、保険として?
うーん、謎が残るな。まあ、付け得ってことで納得しとこう。下手に質問すると信用下がるし。
コウ「これからこの建物について調査する。何か手がかりがありそうなところを聞きたい。」
『手がかり…?教室とかでしょうか…。
あそこだけ絶対デスゲームと関係なさそうですし。』
コウ「…なるほどな。
ああ、一応言っておくが、一階に脱出口は見つけられなかった。昨日ずっと探していたから、間違いはないだろう。」
『脱出口…緊急用におくなら一階でしょうが、我々が思っている一階が実は地下だという可能性もありますし。でも地下に水道を通すかな。シャワールームやキッチンがあるから一階という線が有力…。
…確認出来ない以上、空想に過ぎませんね。』
コウ「教室の探索後は二階も調べてみるか。」
『…コウ君も、正攻法で出る気はないんですね。』
コウ「正攻法…というと、メリーが言っていた"このゲームの真相を理解する"…か?あんなあやふやなものより、こっちの方が堅実だろう。
Aさんの方こそ、このゲームで"勝ちたい"と言っていたが…勝ちの定義がわからんな。」
『僕にとっての勝ちは、目標をクリアした上でここを脱出することです。
…そのためには沢山の協力が必要だ。』
コウ「目標?」
『それは言えませんよ。どこで誰が聞いてるかわかりませんから♪︎
それよりも、早く教室に向かいましょう。』
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トランスウォランス | 作成日時:2023年10月15日 0時