2章:哀悼を捧げる1 ページ2
メリー「それではいきますよ!オープンザ!ドア!」
メリーがそう叫ぶと、謎の力で扉が開いた。
脱出の扉とは呼ばないよ、脱出できないからね。
ユキナリ「!?こ、ここは…。」
オサム「外ではないみたいですね…。」
ユウト「くんくん…。
ねぇ…なんか血生臭いんだけど…。」
リツ「お、おい…!変なこと言うなよ!」
ユウト「えぇ?もしかして、怖いの?
僕より年上なのに、この程度で怖がるなんて…。やっぱり"チビ"だね。」
リツ「はぁ?怖がるのとチビは関係ねーだろ!
ってか、別に怖がってねぇし!!」
『怖がることは悪いことではないのでは?
未知への恐怖がないことを、人はときに"蛮勇"だなんて呼びますし…。』
ショウマ「まぁまぁ、落ち着いて…。肩でも揉んであげようか?」
リツ「さ、触んな、セクハラおっさん!」
ショウマ「お、おっさんだなんて…ひ、ひどいなぁ…。俺まだ27だぜ?」
リツ「27は十分おっさんだろうが…!
ってか、どさくさに紛れてAにも手ぇ出すなよ!」
『リラックス効果ならば、肩を揉むよりも、深呼吸、過去の成功体験やこれからの良い未来を思い浮かべた方が、期待できますよ?
それに、この状況で肩は凝らないと思いますし…。』
リツ「な、なんで改善案を出してるんだよ…」
コウ「おい……。
お前ら、今はそんなくだらないことを話してる場合じゃないだろ。」
アオリ「彼らは放っておきましょう…。」
私はシナリオ通りに進む会話を聞き流しながら、羊のカードが引けることを願った。
…ここで狼のカードを引いたら、ユキナリ君かオサムさんの行動が大幅に変わってしまう。そうなった場合、狼が殺そうとしているのに、私はどっちが狼かわからない最悪の展開になってしまう。しかも、どちらかの行動が変化するため、オサムさんもターゲットを変える可能性があるし、ユキナリ君も私も誰も殺さず吊るされ脱出する…なんて可能性もある。
どう転んでも最悪だ。よく考えれば、前回運が良すぎた可能性もある。シナリオ通りに進むか…祈るしかないっていうのが辛いね。
ウルフ「それではカードを配る。次の狼を決めるぞ。」
うーん…羊!
ひとまずは安心かな。皆ポーカーフェイスが上手すぎて全然誰が狼かわからないんだけど…
というか、約束があるしさっさとこの場からは抜けさせて貰おうかな。ここにいても、あまり意味はないだろうし。
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作者名:トランスウォランス | 作成日時:2023年10月15日 0時