【平和組】比.較.的.平.和な家族について。【+a】 (ページ6)

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06 : 三色団子は桃色が先頭である。ページ6

坂ちゃん先輩に借りていたペンの存在に気づいたのは昼休みのことで。
早急に返さなきゃいけないから、と一緒にお弁当を食べるこーすけ達に席を離れる、と伝え駆け足で3年生の教室に向かった。

坂ちゃん先輩のクラスをこっそり覗いても、先輩の姿はなくて。
諦めて帰ろうとすれば、声をかけられたのがついさっきだ。

「あれ？Aちゃん」
「西郷先輩！」

*

坂ちゃん先輩の幼馴染が西郷先輩である。勿論西郷先輩もクラスの人気者。
好意ではないけれど私は西郷先輩が好きだ。

西郷先輩はゲームが上手。
だから私が手こずっている面も西郷先輩にお願いすれば楽々と進むので頼りになる。

西郷先輩はゲームが作れる。
なのでよく西郷先輩の作ったゲームを坂ちゃん先輩の隣で見たり、プレイすることもある。

あと普通に西郷先輩は人がいい。人が良すぎる。
人が失敗しても「大丈夫ですか？」と駆け寄ってくれるし、最後まで支えてくれる。

それに人と関わるのが上手だし、西郷先輩が居れば大丈夫って言う自信もある。
だから坂ちゃん先輩も凄い西郷先輩を信頼している。もちろん私も西郷先輩を尊敬してる。

西郷先輩はとてつもなくいい人なのだ。

「どうしたの？」
「坂ちゃん先輩どこにいますか？」
「坂本さんなら職員室に呼ばれてるけど…」

坂ちゃん先輩のことを西郷先輩は坂本さん、西郷先輩のことを坂ちゃん先輩は西郷さんって呼んでる。
一回理由を尋ねたら昔からの癖って返ってきた。

「坂本さんに用でもあった？」
「この前借りたペン返しに来たんですけど…」
「あ、あの時のね！坂本さんないないって焦ってたよ(笑)」
「えｯｯｯ怒らせた？」
「大丈夫、なんとか言っとくよ」
「西郷先輩好き……優しい……」
「ありがとう(笑)」

返しに来てくれたお礼にチョコレートを貰った。

*

西郷
→Aと同じ高校で3年生。Aの先輩。
坂本の幼馴染で、ゲームが上手い。

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