原石くんとももちゃん (ページ6)

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◇ 特別をキミへページ6

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樹side

毎年、誕生日だからといって
何か特別な約束をしてるわけではない

Aが一緒にいたい人といればいいって思ってるし

ただ、Aは何も言わなくても
先輩後輩スタッフ問わず全員の予定を毎年断る

田中「お誕生日おめでとう、A 」

「ありがとう！」

そして、毎年俺の家で2人で飯を食べる

特別フルコースがあるわけじゃない
主役のAが飯だって作るし

俺はいつも通りそれを見てるだけ

ただ、去年は久しぶりにそれが出来なかった
このご時世だからね

すごい寂しそうにテレビ電話の前で笑ってた顔が
どうしても頭から離れなくて

今年は俺ん家に連れてきたんだ

初めて誕生日に会おうって約束した気がする

「やっぱり誰かと過ごす誕生日は最高だね」

田中「寂しかったもんな、去年は」

「あれ、バレてた？」

田中「んは笑当たり前じゃん」

シャンパン片手に少し顔が赤いキミは
俺を目の前にしてどう思うんだろう

「 …ん、この入浴剤いいね」

田中「髙地オススメのやつだから伝えてあげな」

「さすが温泉ソムリエ」

普通に風呂だって一緒に入るし
それ以上の事も、何回もしてきた

「 …今年の誕生日も幸せだったなぁ」

田中「来年もいい誕生日にしような」

「うん、いつもありがとう」

田中「俺がやりたくてやってるだけだから」

「 (腕の中に入って) …ずっと、期待してます」

田中「ははっ笑急に可愛いじゃん」

「 (寝てる) 」

Aがお望みなら、俺はいつまでも一緒にいる

俺の特別をキミにあげるから

キミの特別も俺にちょうだい？

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