8 ページ8
おついちside
長い事情聴取が終わり無事盗聴器も全部回収されスッキリした今日、昨日のあの光景が目に焼き付いている
弟者がAを抱きしめていた。見ていられなくて逃げちゃったど
「Aの好きな人は弟者だったのか..」
そーだよなぁ、俺みたいなおじさんじゃなくて弟者みたいに歳が近くて若いやつがいいよなぁ
静かな部屋で進まない編集をしていると弟者からの着信が
「もしもし?おついちでーす」
『知ってるよ(笑)』
「だよねぇ(笑)で?どうしたの?」
『今時間空いてる?』
「うん」
『ちょっとさ来てほしいところがあるんだけど、いい?』
「別にいいけど、場所はどこよ」
『〇▲公園』
「何時に?」
『今から』
「...はいよー。」
急にピリッとした空気になった時は弟者が何かに対して怒ってる時だ
その対象は俺だろうけど
急いで上着を着ると待ち合わせの場所まで走って向かう。
10分弱で着くと公園内でベンチに座ってる弟者が見えた
「早かったね」
「走ってきたからな。んで?話って何?」
「俺の質問に正直に答えてね」
「...」
「おついちさんはAのこと好き?」
「..は?」
「答えて」
見たことの無い真剣な眼差しで少し驚いたが本音を言う
「好きだよ。それが?」
「それが?じゃないでしょ、他の女の人とキスしといてよく言うよ」
「あれはっ!」
「言い訳しないで。A、見たんだよ」
「なんだよ...お前こそAが好きなんだろ!?」
「あぁ、そうだよ!好きだった!でもAはおついちさんが好きなんだよ!」
「..!」
「Aに告白した、一目惚れだったってずっと好きだったって!でも、Aの心にはおついちさんしかいなかった!どういう意味かわかる!?」
「..」
「あんな光景見てもまだ好きなんだよ、あんたが!なのになにウジウジしてんだ!」
反論もできない
こいつの言葉は最もだ。
俺は好きな女さえ守れないし、欲しい言葉もかけてあげられない。度胸もないんだ
「あ、あのっ!」
「A!?」
「えー、もう来ちゃうの?早くなーい?」
「見てるこっちの身にもなってみろよ。ハラハラしっぱなしだぞ」
「ごめん兄者(笑)」
「ほら、おっつんがフリーズしてる(笑)」
そりゃフリーズしますとも。いきなり茂みから出てくるんだからね
「実はですね、おついちさん..」
61人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美月葵 | 作成日時:2018年5月2日 17時