回想 ページ10
(うらたぬきside)
-2時間前-
打ち合わせ、と称して居酒屋に集まったが、真面目な話をしつつも随分遅くまで呑んでしまった。
酔った坂田が二次会がしたいと駄々をこねたが、皆明日(今日)は仕事だからといって宥めていた。
セン「いやー、今日の打ち合わせも良かったですねー」
まだ甘えた声で駄々をこねている坂田を横目に、センラマンが、ね、うらたんと声を掛けてきた。
うら「何が今日の打ち合わせも良かったですねー、だ。俺に飯奢らせてお前らがたらふく飲み食いしただけだろうが。」
俺は荒い口調で悪態をつく。
会計になった途端急に3人ともトイレに立ち、俺が全部払う羽目になったのは、これから15分前の話だ。
セン「えー、でも中国には1番身分が上の人が部下全員に奢るって習慣があるんでしょ?」
うら「俺は中国人じゃねぇ!!!!!」
夜独特の煌びやかな雰囲気と、いつも通りの会話。坂田ほどではないものの、俺は酔っていたんだと思う。
少なからず、心はふわふわと宙に浮いていた。
"それ"に出くわしたのは、別の電車に乗るしませんと分かれ、坂田と駅の地下道に2人で歩いているときだった。
スマホを見ると午前3:00。長い地下道を千鳥足で歩いていたからだろうか。2人と別れてだいぶ時間が経っていた。
さか「うらさぁーん、俺めっちゃ腹減ったぁー、今から食べに行こうよー」
うら「ハァ?お前さっきまで死ぬほど海鮮サラダ食ってたろ」
海鮮サラダで腹が膨れるかどうかは定かではないが。
まだほろ酔い気分ででもたれかかってくる坂田を支え、よろよろと歩く。
誰もいない地下道に、一般男性より高い俺と坂田の声がやけに響いた。
さか「うらさん、ほっぺたむにむにやーん」
ぺたぺたと顔を触ってくる大きな手を叩き落とす。音はぐわんぐわんと広がっていった。
静かすぎる、と思った。その時だった。
??「うぐあぁうあっあっうがぁあああああああ」
何かが苦しんでいる。聞き覚えのある掠れた声。そして何かが張り裂けるような音。
俺も坂田も流石に酔いが覚めて、顔を見合わせた。
うら「お前今の聞いた?」
坂田は俺の問いかけに1度振り向き、しかしそれを無視して背後を振り返る。
さか「さっきから酔っ払っとる俺にだけ見えてる幻覚なんかなって思っとったんやけど、」
あれ、なに…と呟く坂田の視線の先を追うと、
化け物がいた。
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コアラランド(プロフ) - すとぷり....6人...青....あぁ (2020年1月14日 0時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - Liouさん» あれま…結構わかりやすくしたつもりなんですが… これからしっかりわかりますよ~ (2019年9月30日 17時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
Liou(プロフ) - すとぷりが出たところがわからず頭を抱え込みながら読んでます(´・ω・`) (2019年9月28日 11時) (レス) id: 786bb358f0 (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - 菜萃さん» コメントありがたいです、ありがとうございます…もっとすこっていただけるよう頑張る所存です! (2019年9月28日 6時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
菜萃(プロフ) - 歌い手で異世界...あ"〜〜〜〜〜、好き。← 無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2019年9月26日 18時) (レス) id: b58c2b79a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れふと。 | 作成日時:2019年6月24日 22時