ひきこもりでも異世界冒険がしたい！【歌い手】

ドア ページ7

(まふまふside)

恐怖で1度ドアを閉める。


だって有り得ない。僕こないだ来た時ちゃんと鍵閉めたのに。


そういえばこの間来た時は6人だった。あまちゃんと、うらたさんと、さかたんと、スタッフさんが2人。

いつでも賑やかな歌い手ハウス。1人で来るなんて下見の時以来だ。


思い出しては溜息をついた。皆今どうしてるだろうか。


頭から考えを振り払った。

考えていても仕方ない。考えすぎは僕の悪い癖だ。


状況を整理しよう。

鍵を持っているのは僕を含む7人。

そらるさん、あまちゃん、うらたさん、さかたん、信頼できるスタッフさん2人、それから僕。


そらるさんがもう来ているとすれば、こんな不用心なことはしない。抜けているように見えてしっかりした人だ。


他の5人である可能性は?

この異常な状況下、自宅でなく歌い手ハウスに移動しているなら、何かしら連絡が来ているはずだ。

そらるさんは呑気にこの状況についてツイートまでしているから、僕はまだしも、彼に連絡が無いのは不思議だ。



じゃあ、誰?


落ち着け、落ち着け、と声に出す。


声とは裏腹に僕の心は焦るばかりだ。


リスナーさん? 否。
アンチの人? 否。
ご近所さん? 否。


誰もこの気味の悪い世界で僕らのハウスにいる必要が無い。


パニックにしゃがみこむと、

がちゃ


1度閉めた筈のドアがひとりでに開いて、

??「まふ?」


と懐かしい声がした。


◀◀◀
"その者青草伸ばせど、業火が無ければ新しき生命も息吹かず"

菓子パン→←奴

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