新たな伝達 ページ34
(うらたside)
そら「なんていうか、物騒だね」
満面の笑みで言い放ったまふてるに、そらるさんは引き気味に苦笑しながら返す。まぁそりゃそうだわな。
てる「まぁ単純にぶん殴ったら返ってくる、というわけではないが、流石に締め上げてぶん殴られたら返してくれるじゃろ」
まふてるはなんともないような声で続ける。精神力がすごい。
てる「ところでご主人、新たな伝達が来たのじゃが、お伝えしてもよろしいかの?」
まふ「伝達…?ああうん、構わないけど…」
さっきまで若干キレていたまふに、まふてるはおどおどしながら尋ねた。軽々しく犯人ぶん殴るとか言ってた癖に…意味わからん。
ご主人の言葉に頷いた従順な妖精は、つい、とテーブルを指さした。煌々と輝くイグドラシル。紅い三日月の隣には、新たなものがぶら下がっていた。
さか「王冠…?」
枝先にかかるのは小さな藤色の王冠。紫がかった銀色で、またよくわからない文字が刻まれている。首をひねる俺たちの間に、まふてるの透き通った声が響いた。
てる「“玉座は混乱を招く、上へ下へ、争いを芽生えさす卑しき悪党”、と枝には書いてある」
そら「玉座なのに卑しい?」
てる「詳しいことはボクにもわからぬ、前回と同じようにこのモチーフの元へ向かって歩いていくしかないようじゃな」
まふてるは言い終えてから一つため息をついた。ただでさえ文字化けする伝達、解読しても意味が分からないとなると当然ため息もつきたくなるだろう。
意味が分からないのはこの伝達だけじゃない。ほかの歌い手たちは居るのか。なぜ一人ずつ探さなきゃいけないのか。結局世界を救うって何なのか。話が進むたびに疑問は増えていくばかりだ。
俺のコーヒー色の、まふの白銀の、そらるさんの夜空色の頭が、うなだれる。どことなく暗いこの空気をぶち壊すのは、やっぱりうちの相棒だった。
さか「そう暗い顔しててもしゃあないやん!取り敢えず今できることをすればええ話やろ?」
どこから元気が湧いてくるのか、あっけらかんと彼は言葉を紡いだ。
うら「お前な…そう簡単な話じゃないと思うぞ」
さか「でもほかにできることないし、俺は何もわからんくても取り敢えず前に進むべきやと思う」
突拍子もない発言に苦言を呈すと、真剣な顔をして反論された。思いは通じたのだろう、そらまふの二人も顔を見合わせて頷く。
うら「確かに、じっとしてても仕方ない」
そら「流石坂田だな」
まふ「天月君を救いに行こう」
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コアラランド(プロフ) - すとぷり....6人...青....あぁ (2020年1月14日 0時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - Liouさん» あれま…結構わかりやすくしたつもりなんですが… これからしっかりわかりますよ~ (2019年9月30日 17時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
Liou(プロフ) - すとぷりが出たところがわからず頭を抱え込みながら読んでます(´・ω・`) (2019年9月28日 11時) (レス) id: 786bb358f0 (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - 菜萃さん» コメントありがたいです、ありがとうございます…もっとすこっていただけるよう頑張る所存です! (2019年9月28日 6時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
菜萃(プロフ) - 歌い手で異世界...あ"〜〜〜〜〜、好き。← 無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2019年9月26日 18時) (レス) id: b58c2b79a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れふと。 | 作成日時:2019年6月24日 22時