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囚われの怪物 ページ29

(うらたside)

そういやあまちゃんはどうなったんだ…?

一本道の洞窟の中、そらるさん同様居ないってことは元からこの洞窟には居なかった?

それとも…

…これ以上考えるのはやめとこう


嫌な方へ嫌な方へと考えてしまう自分の性格に嫌気が差す。仲間は用心深い、慎重だ、って褒めてくれるけど。

その点坂田の行き当たりばったりな性格は、ある意味羨ましい。

まふ「ん…?」

最前をきってずんずんと進んでいく坂田の横顔をぼーっと見ていると、まふが声をあげた。

さか「どうした?まふ」

坂田が振り向くと、まふは洞窟の壁を指さした。

うら「壁?」

まふ「なんか描かれてません?ちょっと掠れてますけど…」

ほら、とまふは煤がつくのも構わず壁を拭う。


確かにそこには、赤黒い液体がこびりついていた。故意に何かを書こうとしたもののようだ。

さか「何これ …文字?」

古いもののようで無理に読み取ろうと坂田は滅多に顰めない眉を顰めている。

まふ「…"つらい ここどこ たすけてよ ぼくは ばけものなんか じゃ ない"」

さか「化け物…?」

思い浮かんだのは昨夜の青い怪物。俺の名をを微かに呼んだ呻き声。


まふ「そこにも何かある、」

思いを巡らせているとまふが坂田の足元を指さした。

三日月達の中に明らかに色の違う屑が転がっていた。くすんだ銀色に輪のような形、鎖のようだ。

坂田は何を思ったのか、目を見開き欠片を手に取った。

まふ「さかたん…?」

いつになく真剣な坂田の表情に、まふが戸惑ったような声を上げる。

さか「うらさん、」

手に持ったそれから素早く目をあげると、坂田は静かな声で俺に聞いた。

さか「昨日のあの化け物の足元、見た?」

うら「いや、見てない」

俺と坂田の間に静かな時間が流れることなんて滅多にない。どこか居心地が悪くて目を逸らす。

さか「じゃあ俺の見間違いかもしれんのんやけど、あの怪物、足だけ異常に細かってん」

まふ「?」

さか「細いというか、なんていうんやろ、痩せこけとったというか、無理やり締め付けられて病気気味だったというか、」

うら「うん、」

一生懸命説明する坂田に相槌を打てば、自信なさげに言葉を続ける。

さか「とにかく、なんかで縛られたりしとったんかなってそんとき思った。何年ぶりに走るん?ってくらい足元おぼついとらんかったし」


うら「つまりお前は昨日の怪物が、ここにその鎖で囚われてたんじゃないのかって言いてぇの?」

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コアラランド(プロフ) - すとぷり....6人...青....あぁ (2020年1月14日 0時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - Liouさん» あれま…結構わかりやすくしたつもりなんですが… これからしっかりわかりますよ~ (2019年9月30日 17時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
Liou(プロフ) - すとぷりが出たところがわからず頭を抱え込みながら読んでます(´・ω・`) (2019年9月28日 11時) (レス) id: 786bb358f0 (このIDを非表示/違反報告)
れふと。(プロフ) - 菜萃さん» コメントありがたいです、ありがとうございます…もっとすこっていただけるよう頑張る所存です! (2019年9月28日 6時) (レス) id: fdc4b938b2 (このIDを非表示/違反報告)
菜萃(プロフ) - 歌い手で異世界...あ"〜〜〜〜〜、好き。← 無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2019年9月26日 18時) (レス) id: b58c2b79a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れふと。 | 作成日時:2019年6月24日 22時

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