ひきこもりでも異世界冒険がしたい！【歌い手】

僕には僕の ページ28

(坂田side)

そんなこんなで始まったそらるさん捜索。

よう分かっとらんけどあれやな？迷子ってことやんな？

もーー、そらるさんってば、ええ歳して迷子なんて…

うら「ここではぐれるのは流石にまずいし、3人まとまって動こう」

まふ「じゃあ1回行き止まりまで行って入口に折り返そうか、見逃しもあるかもだし」

どうでもいいことを考えていると真面目に討論をする2人の声が聞こえてきた。

うらさんは流石グループのリーダー、まふは歌い手界のトップだなぁって思うけど、どっちも同世代だしまふに至っては同い年なんよな。


2人に甘えてばかりも居られない、俺はそう思って真剣な表情で握る拳に力をこめた。

うら「何俺ら真面目な話してんのに笑い堪えてんの」

さか「…うらさんには笑い堪えとるように見えたんやな」

…やっぱ俺は何やっても格好つかんな…


考えるのとかまとめるのとか、俺には向いとらんから前を向いてひたすら歩くことだけに専念することにした。

思えばうらさんはビビりやし、まふも臆病なとこあるから今怖いもの知らずなんって俺だけやない？

おぉ…

思い立つや否や俺は横を歩くうらさんとまふの方を向く。

さか「俺1番前歩くわ！！！」

まふ「…ん？」

うら「おう、そうしてくれ」

まふはぽかんとしていたが、うらさんは俺の突拍子もない発言に慣れているのか疑うことも無く頷いた。


いやー、異世界編入ってから若干空気やったけど俺にも出来ることあったんやな！

うらさんにはうらさんの出来ること！

まふにはまふの出来ること！

俺には俺の出来ること！

君には君の乳酸菌！

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