11話 ページ12
それから内番を終え、湯浴みを済ませた私は自室で鶴丸さんを待っていた
それにしても、あの人から話をしたいと誘われた時は少し驚いた
私はあからさまに鶴丸さんを避けているし、他の方との態度の違いから、私が苦手意識を持っているということは本人も気づいているだろう
にも関わらず歩み寄って来てくれる鶴丸さんは、とても器の大きい人だと思う
前に容姿だけは良いという様な事を言ったが、ただ悪い所が目立ってしまっているだけで、本当は思いやりのある優しい人なのかもしれない
いつも周りに迷惑ばかりかけている鶴丸さんだが、とても信頼されているのだと、この本丸の皆さんを見ていて思った
…そろそろ私も、ちゃんと鶴丸さんと向き合わなければいけないのかもしれない
そう思った時
鶴「わっ!」
「キャッ!?」
いきなり耳元で大きな声を出され、慌てて振り返ると笑顔の鶴丸さんがいた
鶴「ははっ!どうだ驚いたか?」
いつにも増して生き生きとした顔で聞いてきた鶴丸さんに、心底腹が立った
前言撤回、この人に思いやりの精神なんて微塵もない
「不意打ちなんて最低です…!こんなの誰でもびっくりするに決まってます」
鶴「ははっ、驚きとはそういうものだろう。それにしても、君もあんな声を出すんだな」
そう言ってニヤニヤと薄ら笑いを浮かべる鶴丸さんに、先程自分が発した声を思い出し、途端に恥ずかしくなった
「っ…さっきのは忘れて下さい!」
自分でもあんな声初めて聞いたのに、よりにもよってこの人にまで聞かせることになるなんて
鶴「忘れるわけないだろう、俺は君の貴重な一面を見れて嬉しかった」
「それと…」と続けて
鶴「君って案外顔に出やすいんだな、真っ赤だぞ」
鶴丸さんは私に合図するように、自分の顔を指差しながらニヤリと笑った
「っ…!」
慌てて袖で顔を隠し、何か言い返そうかと思ったが、それだと思うつぼな気がして何も言い返さなかった
「…もうお帰り願えますか」
鶴「いや、すまん!少しからかい過ぎた!」
私が睨みをきかせて言うと、鶴丸さんは焦ったように謝ってきた
「はぁ……今回だけですよ。次またこのような事を言ったら今度は実力行使でいきます」
今すぐ殴りたい衝動を抑え、大人な対応をすると、鶴丸さんはほっとしたように胸を撫で下ろした
…今度言ったら怠慢張ってやる
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夢主は戦場育ちなので脳筋です(今更)
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リン(プロフ) - 早く続きが見たいです!楽しみにしてます!頑張ってください。応援してます! (2022年3月20日 12時) (レス) @page18 id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃(プロフ) - 変えておきました!私語彙力が無いので、そういった指摘やアドバイスはとても勉強になります!わざわざ読み方までありがとうございます!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2018年8月19日 11時) (レス) id: 89981c5e17 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖兎(プロフ) - 面白いです!あの、一話の最後の文の朝食を朝餉に変えたほうがいいと思います!因みに平仮名では”あさげ”です! (2018年8月18日 21時) (レス) id: 567f09a716 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃(プロフ) - いえいえ、こちらこそコメントありがとうございます!Edenhipmiさんもレベル上げ頑張って下さい!私も更新頑張りますので、どうか最後までこの作品をよろしくお願いします! (2018年8月8日 13時) (レス) id: 89981c5e17 (このIDを非表示/違反報告)
Edenhipmi1114(プロフ) - 紫乃さん» 返信ありがとうございます。紫乃さんの鶴丸は強いですね!辞めてしまわれたのは残念です(汗)忙しいとは思いますが、少しずつ更新頑張ってください! (2018年8月8日 10時) (レス) id: 938d758131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫乃 | 作成日時:2018年8月6日 18時