Story24 ページ24
in「光……これ、」
hk「へっ？」
頬を伝う涙を感じながら、俺に声をかけた
伊野ちゃんの方を見ると。
彼の手には、薮の携帯があった。
in「ロック、開けてごらん？
わかんなくても、わかりやすいから」
そう言われて、4桁しか入らないパスコード欄を見つめる。
薮なら、あの薮なら……
気付けば指は｢1202｣と打っていた。
hk「…え、ひら、いた……」
in「ね？わかりやすいでしょ？」
そう言った伊野ちゃんは、優しく笑う。
開いた途端画面はカメラロールに切り替わっていて。
in「光とデートしたときのだろうね」
hk「や、ぶぅ……っ」
hk『やめろってばか』
hk『ちょ、振り回すなぁー！』
ちょっかい出す薮に、怒ってみたり。
コーヒーカップにでも、乗るように俺を遠心力で回すから
それにもちょっと怒ってみたり。
でも、どの俺も楽しそうに笑ってる。
そりゃそうだ、薮のいた時間は 幸せ だったから。
yb『いいじゃん！ねぇ、ひかるぅ〜』
yb『楽しいんだも〜ん！』
どこの女子だよってくらい、はしゃぐ薮。
hk「もう、やぶに……あえ、ないのッ？」
俺は視線をまた薮に落とした。
もう、俺を見てはしゃぐことはないの？
もう、｢好き｣とは……言ってくれないの？
hk「起きてッ、ねぇやぶ！」
in「光……」
どれだけ薮を揺すっても起きてはくれない。
白雪姫みたいに、キスしたって。
なにをしてみたって、起きてなどくれなかった。
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希望（ひかり） - モナコさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しいかぎりです！ (2022年4月13日 7時) (
レス) id: 204805afb2 (このIDを非表示/違反報告)
モナコ - めちゃくちゃ感動しました。 (2022年3月25日 10時) (レス) @page33 id: b297414b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希望（ひかり） | 作成日時：2021年9月6日 20時
