Story22 ページ22
hk「じゃ、じゃぁ……俺が今、薮のことわかるって
言うことは、さ……ま、さか」
in「光……」
hk「そん、な……っ、や、だよ…」
in『忘愛症候群はね、最愛の人の死によって……
治る病気なんだよ、光。』
そんな言葉と一緒に、きっと薮を忘れてしまっていた
であろう日々の記憶が嫌がらせのように蘇る。
hk「おれっ、おれ……っ」
バカだ、愚か者だ俺は。
薮がそばにいながら、｢伊野ちゃんが好き｣だなんて言って。
幾度も薮を、悲しませて傷付けた。
溢れた涙は、氾濫した川のようで。
なかなか、収まってなどくれない。
部屋のキッチンの近くに飾られた花束が不意に視界に入る。
薮が……くれた、花束だよね？きっと、
in「光、薮が行きそうな場所知らない？」
hk「や、ぶ…が？」
上手く働かない頭を動かしながら、部屋を見渡す。
そんなとき目に入ったカレンダー……
hk「あ、昨日……」
in「光？」
俺と薮の記念日だ……
そう口にしたら、さらに悲しくなる。
hk「伊野ちゃん、おれ心当たりある……」
in「じゃぁ、そこ行こ？」
hk「＿＿うん、行く」
そう言って、俺は伊野ちゃんを連れて薮がきっといる
あの場所へと向かう。
あの花束はきっと、勿忘草の花束だよね……薮？
hk「ごめんね、薮…っ、ごめんっ。」
『私を忘れないで』、そんな花言葉に想いを託した薮は
最期まで、俺のことを想っていたのだろうか。
そのときの薮は、どんな想いで俺を見ていたのだろう。
yb『俺の名前…忘れないでね』
そんな、薮の言葉を思い出す。
きっと、俺が忘れてるときに薮が口にしたのだろう。
そのときの薮の顔が、霞みかかって思い出さないけど
きっと悲しそうな顔したんだろうな。
って、嫌でも想像が着く俺がいた。、
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希望（ひかり） - モナコさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しいかぎりです！ (2022年4月13日 7時) (
レス) id: 204805afb2 (このIDを非表示/違反報告)
モナコ - めちゃくちゃ感動しました。 (2022年3月25日 10時) (レス) @page33 id: b297414b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希望（ひかり） | 作成日時：2021年9月6日 20時
