偽りの存在 ページ17
桜「ゴホッ…ゴホッ…」
6年に組霞桜花 。
Aと仮に作ったわたし達の組。
その仮に作った組の部屋の中で1人私は引きこもっていた。
私は偽りの存在。
ある任務を遂行するためにここにいる。
彼らは知らない。
私の本当の姿を。
もちろんあの子も。
私は自分の手のひらを見た。
すると天井から黒い影が降りてくる。
その黒い影の正体を見て少々驚いた。
桜「まさか貴方が直々に来るなんて」
雑「久しいな…名無し…いや、今は霞桜花だったかな?」
桜「そんなことはどうでもいい…要件はなんです?」
雑「逃亡した挙句結局途方に暮れていたところを助けた”飼い主”に挨拶もないとは困った犬だ」
目の前にいるのはタソガレドキ忍軍組頭雑渡昆奈門。
こいつの顔は見たくもなかったがあっちから来るとは…反吐が出る。
雑「まぁいい、単刀直入に言うと式が早まった」
桜「!?」
雑「Aには”催眠術”で知らせてある」
桜「なっ!?催眠!?そんな話は一切…」
言い終わる前に顎をガシッと掴まれる。
雑「お前は私の言うことを聞いていればいい」
桜「…っゴホッ…」
雑「辛そうだな」
桜「…っ」
雑「確か峠は次の満月だったかな?」
桜「そう…ですね…この”世界”での暮らしもそろそろ終わる…」
雑「ふん…」
雑渡は小さく鼻で笑うと小さな紙切れを私に投げた。
桜「これは?」
雑「作戦前に消えてもらっては困るからな…自由になりたければ成すべきことをなせ」
そう言って奴は風と共に姿を消す。
桜「ちっ…偉そうに…」
私は紙切れに入った薬を飲んだ。
私のことを知ったらあの子は驚くだろうか。
結局私は最後まであいつらの…。
最後に浮かんだのは、
笑顔で私に話しかける優しい…Aの顔だった。
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もしゃどーる(プロフ) - あーーさん» あーーさんありがとうございます!!更新頑張ります。°(°´∀`°)°。 (2021年3月17日 19時) (レス) id: 105769ebda (このIDを非表示/違反報告)
あーー - この小説大好きです! (2021年3月17日 17時) (レス) id: d228b33f0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もしゃどーる | 作成日時:2020年9月11日 12時