【薄桜鬼】～鬼の姫は唄う～弐 (ページ14)

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失われた理性ページ14

｢お前…女なのか？｣
　

その言葉の意味を理解するのに1秒も要らなかった。

　
―…完全にやらかした…―
　

剥廉は着物が濡れて引っ付いた身体に気づき、すぐさま土方とは真逆方向に体を向けた。
　

だが、当然土方に阻止される。
　

握りしめられた手首から伝わる温度は熱くて、そのまま後ろに引かれた。
　

自由を奪われ固まる剥廉にお構いなく、土方は剥廉を後ろから抱きしめた。
　

｢何故逃げる｣
　

吐息混じりに耳元で話されビクッと肩を震わせた。
　

箸を教わった時とはまるで違う。
　

いつの間にか土方の中で何かが切れていた。
　

”理性”というものが。
　

耳元で囁かれ顔を真っ赤にする剥廉。
　

その赤くなった耳を土方は噛んだ。
　

｢…っん…」
　

｢お前は無防備すぎる｣
　

そう言うと胸元に手を伸ばす。
　

｢…っ待て｣
　

｢待たない」
　

抵抗する剥廉の両手首を掴み上げる。
　

胸元にやった手で今度は唇をなぞった。
　

「…っ」
　
　
そして今度は顎を掴むと
　
　
　
　
　
　
　
　

深いキスを落とした。
　