125話 ページ46
「ま、私が大量の5円玉を賽銭箱にいれるところを見たって言うなら、認めてあげてもいいけど?」
これって喧嘩売られてる?
こんな悪あがきしなきゃいいのに。
『そんなの見なくてもいいんですよ。』
「え?」
『言ったでしょ?五円玉は束ねられて使われただろうって。』
つまり、だ。
『その束ねた紐がまだ貴方は持ってると思うのですが。』
「あれれー?お姉さんの靴紐に血がついてるよ?」
ナイスアシストだコナンくん。
『どうやら靴紐を使われたみたいですね?調べてみたら分かりますよ。誰の血痕か。どうします?』
そういうと女性は観念したような顔をした。
それでいいのよそれで。
🐾🐾🐾🐾
「…被害者女性の血痕でした。」
「うむ。だが、なんで黒い5円玉を余分に持っていたんだね?遺体の傍に置かれた5円玉は、今回スられたときに懐に入れられたものじゃ…」
確かにそれもそうだね。
「それは、さっき貴方方警察に見せたほう。あいつの傍に置いたのは、去年あのスリに…あいつにスられたときに入れられた、息子の命を奪った5円玉の方よ!」
どうやら去年同じスリにスられた財布の中には、車の鍵も入っていて、喘息持ちだった彼女の息子は数時間車の中に閉じ込められ、病院に行くのが遅れ、そのまま車内で亡くなってしまったらしい。
今回の犯行はその復讐だったようだ。
もっとやり方があったでしょうに。
復讐するためには正当性を誇示しなくちゃいけない。
そう正当性を、ね。
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作者名:チョコミントティラミス | 作成日時:2023年8月16日 16時