124話 ページ45
真ん中にいるのは確か目暮警部だったか。黒衣の騎士の時にいた警部だった筈。
私はニコりと笑って目暮警部に声をかけた。
もちろん後ろにはコナンくんも一緒だ。
『犯人が使った凶器が分かりました。』
「それは本当かね！？」
『ね、コナンくん。』
「うん！Aさん凄いんだよ！」
いや私を前面に出さなくてもいいんだよコナンくん。
「それで凶器はなんなんだと言うんだ？」
『五円玉ですよ。』
「ご、5円だまぁ？！」
つまりお賽銭って訳だ。
「五円玉だけで人を撲殺できるというのかね？」
『それにはちょっと語弊がありますね〜。正確には五円玉を束ねたものが凶器でしょうね。』
「だから棒のようにみえたんじゃな！」
そう納得したように阿笠博士は言った。
そゆこと！
「しかしそんな量の五円玉なんて見つかったら疑われるんじゃ…」
『だから賽銭箱に五円玉を入れたんですよ。』
「それでもそんな量の五円玉入れていたら怪しまれるんじゃ…」
『だから子供たちに声をかけたんだと思います。』
「ぼ、僕たちにですか？」
そう。
『神様に聞こえるように鈴を大きくならせってね。』
「ということは…」
皆の視線が一気に女性に向いた。
『貴女は子供達に声をかけ、鈴を盛大に鳴らさせて、大量の5円玉が賽銭箱に入る音を掻き消した、そうでしょう？5円玉を束ねた紐の根元を解いて、紐の先を摘んで賽銭箱に垂らせば、大量の5円玉を一瞬にして投入できるしね。聞いた話によると、殺人事件が起きたのは、貴女が鈴を鳴らす前だそうじゃないですか。それにもかかわらず貴方は財布をスられたことを気づかずに賽銭をいれた。それが偽っている証拠だよね。』
女性はまだ一手があるような顔をしている。
…秘策でもあるのかな？
「確かに…賽銭を財布から出す際にスられていることに気付くはずですもんね…」
「あら、知らないの？賽銭箱の前で財布を開けちゃいけないって戒め。財布の中を神様に見られると、そんなに持ってるのにそれっぽっちしか入れないのか、と怒りを買うのよ」
開き直ったようにこちらに近寄ってくる。
「だから私、お参りするときは5円玉を裸でポケットに入れてるの」
『それで気づかなかった、と？』
「そういうこと。ま、私が大量の5円玉を賽銭箱にいれるところを見たって言うなら、認めてあげてもいいけど？」
これって喧嘩売られてる？^_^
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作者名：チョコミントティラミス | 作成日時：2023年8月16日 16時
