113話 ページ34
「どこかで会ったことあります?」
……気づかれた?
いやありえない。あのムガでさえこの瞳を見るまで気づかなかったんだぞ?
『どうして?』
「その声どこかで聞いた事ある気がするんですよ…。どこだったか忘れましたが。」
……待って仮面舞踏会のこと言ってないこの人?
いやいや私声変えるの得意だし。
……いやでもベースは一緒だしな……。
え怖。
『私は純日本人なんだけど……』
「そ、そうなんですか。」
え?この反応から仮面舞踏会では無い?
じゃあどこで……?
『初めましてだと私は思うんですけど……、ウーン。』
「ふ、もしかしたら僕の勘違いかもしれませんね。」
そうだと助かるけど、何笑ってるのさ。
『そうだ安室さんせっかくだからお友達になりません?』
「え?」
『ここで会えたのも何かの縁だし仲良くしましょうよ。』
少しぐらい近づいたっていいよね。
少しぐらい。
「ええ。それに気になることも多いですしね。」
……やっばりこの提案なかったことにしていいかな。
『一体私の何が探偵を刺激するのか。』
「さぁ。でも貴方何者なんです?」
『何者、とは。どうしてそう思ったの?』
私はニンゲン。キミノオトモダチ。
「変なことを言ってるのは分かってるんですけどAさん。貴方はまるで全てを見透かすように動いてるじゃありませんか。」
『……見透かすかぁ。君もそういうんだね。私は仮説を建てて動いるだけなんだけどね。その仮説がたまたまあってるだけだよ。』
「なるほど。……警視庁付近です。ここからどう行くんです?」
『真っ直ぐ行って右に言って貰えますか?』
「わかりました。」
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作者名:チョコミントティラミス | 作成日時:2023年8月16日 16時