109話 ページ30
『鍵って、どんな鍵なんです？』
私がそう聞くと横溝警部は持ち手が丸みを帯びた鍵をみせてくれた。
「遺体のポケットに入っていた、この鍵と同じだそうです」
結構小さいんだな。
「ゴミと一緒に捨てたとか？」
そんな事普通する？こんな計画しといて？他にトリックがあるはずでしょ。
「ゴミなら、私も蘭と一緒に出すの手伝ったわよ。高梨さんの車のトランクに乗せただけだけどね」
「持って帰って出すからって頼まれて」
「なら、やっぱりそのゴミの中に鍵が…」
「すぐに調べろ！」
横溝警部に言われ、部下二人が慌てて調べに部屋を出る。
多分ないな。
「他に、誰かに何かを頼まれたってことは？」
「うーんと、琴音さんにスポーツドリンクを冷凍庫に戻しておいてって言われてそうしたけど…」
「スポーツドリンクを冷凍庫に？」
「凍らせて飲むのが好きなんだって」
「ほら、石栗さんが部屋から出てこないって騒いでたときに、琴音さんが手に持っていたペットボトルよ」
……。
『横溝警部少し鍵触らせて貰えません？』
「いいですよ。」
私は犬のように鼻が利くわけじゃないけど人間よりかは数倍きく。
怪しまれないようにそっと匂いを嗅ぎ、横溝警部にお礼を言ってその鍵は返した。
それじゃあスポーツドリンク、調べさせてもらおうかな。
🐾🐾🐾🐾
警察の事情聴取により夕方になってしまった。
ちなみにゴミの中から鍵は見つからなかったらしい。
夕方になってわかったことをまとめるとこうだ。
・遺体の下敷きになっていたラケットのガットが、歪んでいた
・血のついた銅製の花瓶と遺体の頭部の傷は一致したが、その花瓶の中に何故か水が入っていた
・クーラーが切れていた
まぁクーラー云々から犯人は熱でなにかしたことになるね。
まぁこれで粗方トリックはわかったかな。
さぁレイ。私はこう出るけど君はどうでる？
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作者名：チョコミントティラミス | 作成日時：2023年8月16日 16時
