私、特待生になりました！ (ページ1)

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プロローグページ1

学校では
「あんたなんか邪魔なのよ！」
「なに『影』が出しゃばってるの？」
とか。
家では、
「お姉ちゃんは勉強中なんだから大人しくしてなさい。」
「お前も少しは勉強したら？」
「夢乃には、特に目立つような特技はないからねえ。」
それだけじゃない、どこに居たって、
私のことは後回し、邪魔者扱いされる、生きてることが嫌になってしまう。

たった一人の友達さえも、私の隣にはいない。
いつだって私はひとりぼっち…………

「あっ！特待生の子だわ！」
皆が道を開ける。

この学校は私立だから、『特待制度』というものがある。
特に優秀な人が選ばれ、特別な教育を受ける。
テストでいつも『普通のクラス』の一位を取り、威張っている亜里沙でさえ、キラキラとした眼差しを送るあの人達は、頭がいいだけじゃない、運動もできて、美形で、噂によると性格もいいらしい。
だから、みんなの憧れの的。

私は、そんなものには程遠い。
みんなに邪魔者扱いをされ、強気で我慢する私。
はっきり言って、家にも私の居場所はない。
親にとっては、お姉ちゃんが自慢だから。

ほんとは心が潰れそうなくらい苦しいのに。

もうすぐ、中学1年が終わる。
きっとクラス替えをすれば、亜里沙とは違うクラスになれる。
楽になれる。だから、もう少しの辛抱だ。