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* 主side *
「ははっ、いいから開けてみな。」
これは何ですかと聞けば、そう返ってきた。
智之さんから受け取った細長い箱は高級感が漂っていて、流石の僕でも見ただけで分かるくらい。
なんだろうと箱を開けてみれば中にリング型のネックレスが入っていた。
「...え? これはなんですか?」
もうどうしてこんな展開になっているのか分からなくてもう一度智之さんに聞き返すと、返答の前に周りからの声が。
「待て待て待て! それなに!?」
「智之それ買いに行ってたん?」
「誠司! 今はそんなこと聞いてる場合じゃないやろ!」
「Aっ、ちょっと見せて!」
「うわ、今日の日付まで入ってるで!」
あっ、長さん、勇人さん触らないでください!と必死に言う智之さん。御心お察しします。
「ちょっと退いてくださいよ!
誠司の言った通り、さっきAのために店まで取りに行ったんです!」
「...こんな早く作れんやろ。」
「前から頼んでおいたの。
なに? Aが今日負けるとでも思ったの?」
「「「 !!! 」」」
「〜っ! 嬉しいです!!」
チームの先輩からこういう物を貰えるって思ってなかったから本当に嬉しい。
貰ったネックレスを見れば、今日の日付が掘られているシンプルでカッコいいデザインのリング型ネックレス。
感謝の気持ちを伝えれば、
「気に入ってくれた?
まぁ、それを前から頼んでたのは本当なんだけど、日付は今日の試合を上から見てて大丈夫そうだなと思って、お店に連絡したんだ。」
さっきはみんなの前だから少し話を盛ったけど、と僕の耳元で呟いた。
なにがどうあれ人からのプレゼントは嬉しい。
暫くジッと見ていれば智之さんに着けないのかと聞かれ、少し緊張しながらも着けることにした。
「...え、あ、あれ?」
ベタだけど首の後ろに腕を回しても全く留め具が引っかからなくて苦戦していると、智之さんにしっかりと笑われて着けてあげると言われた。
恥ずかしいけどネックレスを渡して前に座ると、ササっと留めてくれた。
「...はい、できた。やっぱり似合ってる。」
「! ありがとうございます。」
首にかかったものをもう一度見ればキラキラ輝いていて、これからもっと頑張らないとなって思った。
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((ネックレス...独占欲高め?))
((...というか先越された。))
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時