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* 主side *
「...で、実際のところは?」
「やっぱりバレバレですかね? 結構緊張してます。
...オープン戦は何度か投げさせてもらいましたけど、開幕からずっと二軍だったので緊張感全然違いますね。」
「でもそっちじゃ殆ど負け無しらしいじゃん。それに打撃も良いってコーチが言ってたよ。」
それは本当かと聞けば、コンバートしても使えるなって言っていたと教えてくれた。
実際、投球練習後に身体に負担がかからない程度で打撃練習もしているが、通用する程の実力はないと思っている。それに野手に転向するつもりもない。
「ま、投手としてやっていけるから必要ないか。」
「...ある程度は必要ですけど。点取りは野手の方にお任せします。」
「! ...可愛い後輩のために頑張るよ。」
はい、しゃがんでと言われ素直に従うと、頭をポンポンッと軽く撫でられ2人とも練習に戻って行った。
本当に最近多いこの行動はどんな意味があるのかわからないが、みんな満足そうに去って行くので余り触れないようにしている。
「A? そろそろ投げに行こう。」
「あっ、誠司さん。すみません、待たせてしまって。」
全然いいよと言って、今日の僕の体調などを詳しく聞いてくる誠司さん。
途中から関係ない質問をし始めたけど、やっぱり投手と捕手のコミュニケーションは大事だよね。
さっきの2人と同じで僕の緊張を和らげようとしてくれているみたいで、感謝の言葉を伝えれば少したどたどしく返事を返してくれた。
「小林、A、こっち。」
ブルペンに入るとすぐに井端コーチに話し掛けられた。隣には監督も。
内容はさっきと殆ど同じで、僕のことを心配してくれたみたい。少し可笑しくて隣の誠司さんに目を向ければ、同じように笑っている。
「? 何か変なこと言った?」
「自分もさっき、Aに同じこと言いました。」
「...監督もコーチも先輩もみんな過保護過ぎですよ。こんなんじゃ僕が怪我なんてしたら大変なことになりそうです。」
「...まぁ、大事な選手だから仕方ないな。それに怪我は絶対にさせないよ。」
「えへへ、そんなこと言ってもらえて嬉しいです。」
「ははっ、そりゃ良かった。
今から投げるんだったよな、期待してるぞ。また後でな。」
「A、行こう。」
(...っし!)
((...調子良さそうだな。))
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時