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* 主side *
「...それAが言ってたんですか。」
《 そうですよ、さっき菅野選手と小林選手が自慢してきましたよ!》
「...僕はまだ一緒に飯行ってないですね。」
宮本さんは衝撃発言を聞いてしまったと顔をしかめてこちらを見てくる。
「...えっと、勇人さん?」
どう考えても怒っているようにしか見えなくて宮本さんに助けを求めるが、全く僕の目線に気づいてくれない。
《 ちょっとちょっと、どういうことですか?》
「いや、あの、まだ勇人さんとはご飯に行ってないです、ね。」
って、ちょっと待って欲しい。別に僕が悪いわけじゃないよね。ただご飯に行っただけ。
少し困った顔をしていれば、勇人さんに嘘やから気にするなと笑って言われたが、もう悪いことしたレベルで心臓が痛い。
「...騙しましたね! 僕結構焦りましたよ。」
《 こっちも焦りましたよ、仲良くしてくださいね。あっ2人はそろそろ時間ですね、ありがとうございました!》
問題を大きくした宮本さんにさっさと切り離されたため、続きはカメラがないところで話すことになった。これは本当に説教くらいそうな雰囲気。
「...ほんま聞いてないわ。いつ行ったん?」
「智之さんと誠司さんとご飯に行ったのは春季キャンプで少し長く休憩とった日です。
阿部さん、村田さん、その他の方とは結構頻繁に誘ってもらって行ってます。」
「...自分だけ出遅れたか。」
「? 何か言いました?」
誰といつ、どこに行ったのか細かく聞かれ、正直に答えた。最後なんて言ったのか聞こえなかったけど。
「勇人さん? ロッカー着きましたよ。」
結局途中から喋らずにここまで歩いてきたんだけど、さっきから上の空の彼は僕が喋り掛けても返事をしない。
目の前で手を振っても何も反応が無いので、両手で彼の頬を包んでみる。
これでやっと気づいたのか身体をビクつかせてこっちに目を向け、どうしたのかと聞いてきた。
「どうしたも何もないですよ。急に喋らなくなったのは勇人さんです、何かありました?」
子供に話し掛けるように優しく聞いてみると、通路の壁に背中を預けてしゃがみこんで小さく何か呟いた。
((勇人さんが小さくなってる。))
(...........)
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時