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* 主side *
「...あと、勇人さんに撫でてもらいたかったんですよね?
でも戻らなくちゃいけないんで僕で我慢してください。」
失礼しますと一言言ってから手を伸ばして頭を撫でる。
髪の毛フサフサだな、それに髪の毛も少し染めてるのかな、なんて考えていると聞こえてくる笑い声。
「え、おもろすぎ。 話聞いとった?」
「...こんな子育ててんのか、ジャイアンツ大変だな。」
「...だから違うって言ったじゃん。」
「はぁ、」
みなさん思い思いのことを言い始めて、勇人さんも溜め息を吐いている。 僕そんなに変なこと言ったつもりないのに。
「まぁ得したしいいや。 でもAが欲しいのは変わらん、なんしたらこっち来てくれる?」
「...だから僕行かないですって。」
ほんまに来て欲しいんだよと大きい声で言ってこちらの言葉を聞く耳も持たない。その上福田さんや今宮さんも参加してきて収拾がつかない。
もう面倒くさい人たちだなと思いながら、もっとたくさん活躍したら誘ってくださいと伝えといた。僕よりいくつ年上なのか想像もつかないくらいだなぁ。
「もっとってどのくらい!?」
「...もう本当に戻りますから!
それにその考えは初めて僕を見たからっていう一時的なものなんですから、そんなこと言っちゃダメですよ。」
今彼らが僕に興味を持っているのは、今日の試合で初めて見たというだけの感情だろうから数日もすれば忘れるはず。
随分長いして時間がギリギリであることを確認してホークスのみなさんに挨拶をしてロッカールームに戻った。
戻る際に向こうから、名前で呼んでくれていいぞー!と聞こえてきて、本当に楽しそうな人達だなって思った。
「...A、どこにも行かんよな。」
「行きませんよ、勇人さんもですか?」
ロッカールームに向かう通路で聞かれた質問は柳田さんたちと同じようなもので、他チームに誘われるとか生意気だとか思われたのかな。
怒ってますかと聞いてみれば、僕がホークスの方達に褒められて嬉しくてそのまま移籍してしまうのではと悩んでいたらしい。...そんな簡単な理由で移ったりしませんけどね。
「...でも、必要ないって言われたらしょうがないです。」
「...それは、」
「ふふっ、そんなに深く考えないでくださいよ。
僕のこと必要と思ってくれればずっといます。だから見ててくださいね。」
((...告白?))
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時