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* 主side *
「なぁ、あんなに速い球どうやって投げとるん?」
「ばっかお前、投手でもないのにそんなこと聞いてどうすんの。」
「まじでおもろい。」
「...えっと、?」
さっきから柳田さん、福田さん、川島さんの漫才(?)を永遠と聞いてる。
そんななか五月蝿くてごめんね、これ通常営業。と横から説明を入れてくれた中村さん。これが通常とは恐ろしい。
「そうなんですか、なんかホークス面白そうですね。」
「うん、楽しいよ。」
「! A興味持った? こっちに来んか?」
中村さんと話していたのに会話に入り込んで来た柳田さん。しかも僕を下の名前で呼んでいる。面識ありましたっけ?
「ちょっと! 話に入ってこないでくださいよ。」
「おい、こっちは先輩じゃ。」
今度は中村さんと柳田さんの言い合いが始まって、さっきまで一緒に漫才を繰り広げていた2人は蚊帳の外。ポツンとして可愛い。
本当に愉快な人が多いなと思って1人笑っていると今宮さんに話し掛けられた。
「今日の試合、圧倒されて正直打てないなって思った。本当にすごいね。」
最初は余裕だろとか調子こいてたのにね、そう言って笑っているけど、悔しくないわけないだろう。
「...ありがとうございます。
でも僕は今宮さんほど寛大な心は持ってないんで、今宮さんの方がすごいと思いますよ。」
「? どういうこと?」
「...失礼を承知で言いますけど、
僕がもし相手投手からヒットを一本も打てなかったら、正直相手のことは苦手だし関わりたいとも思いません。
でも今、今宮さんは僕に話し掛けてくれた上に褒めてくれた。こんなかっこいいこと普通できません。」
そう言うと彼は外方向いてしまった。...言わない方がよかった、失敗した。
やっぱり謝ろうと決心して名前を呼ぼうとすると、
「...ははっ、やっぱりいいわ。 A、ホークス来ない?」
「...えっ?」
「! 晃、健太もおんなじ事言いおった。」
「ほんとにやめとけって、向こうの人に聞かれたらどうすんだよ!」
ついさっきまで割と暗い話をしていたのに、今宮さんも柳田さんと同じ感じなんですか。
もう助けてください、後ろで微笑んでる内川さん、松田さん!
もう疲れ果てて白目を剥きそうになる手前で救世主が現れた。
(なぁってば! 聞こえてるだろ?)
(無視無視。)
(なっ!)
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時