頂への道のり【男主】【GIANTS】

# 16 ページ17

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＊ 主side ＊




この間の紅白戦は僕が打った後にシゲもレフト前にヒットを打ち、亀井さんが右中間に打った打球で２人で帰還した。



その後無失点で交代し、僕がいる白組が勝利を収めた。






その次の日には、長嶋終身名誉監督に直接指導していただき肩をポンと叩かれ、内海さんや山口さんには、



「よかったやん！」



「僕も触ってもらえたよ。A、よかったね。」



頭を撫でながら言ってきた。最近多いなこういうこと。



それにしてもこの触ってもらう行為にはご利益があるらしい。それは知らなかった。



またその日の夜には松井秀喜臨時コーチの講習会があって、ヤスに誘われて聴きに行った。(誘われなくても行くけどね。)






そして明日から那覇キャンプがスタートする。



なので今はその移動の最中であり、機内の座席は２人席が３列ある並びでゆったりしている。



隣は宮國さん、なんだけどなんか下をずっと向いていて返事も少し素っ気ない。もしかして機嫌悪いのかな？





「...ぁの、宮國さん。体調とか悪い様でしたら、僕が窓側の先輩に代わっていただけるよう交渉しますけど。」



「っ、いや、だ、大丈夫、です。」




...僕らが座っているのは真ん中の列だから、乗り物酔いかなと思ったけど違うみたい。



因みに皓太は乗り物酔いが激しいから強制的に一番前の窓側。



「A、椋丞は機嫌とか体調が悪いわけじゃないよ。」



「？ じゃあどんな理由なんですか？」



通路を挟んで隣の菅野さんに話しかけられたので宮國さんの状態の理由を聞いてみた。



隣では焦った宮國さんが言わないで！と大きな声をあげた。吃驚した。




「...お前、大きい声出るじゃん。」



「ぇ、あ、すいません。つい。」



「...ふふっ」



「！」



「...あぁ、もう、本当に気持ち悪くなってきた。」



僕が笑ったあと今度は菅野さんが少しムッとしたけど、宮國さんの言葉でまた元の顔に戻った。



「え、大丈夫ですか？」



「...Aもう放っておけ、こんなやつ。」



笑いながら体制を戻す菅野さん。なんで笑っているのか教えてくださいよ！！



隣では片腕を目元に置いてうーんと唸っている。本当に気持ち悪そう。







「...っ、Aっ、なにしてるの？」



「......... 」






失礼しますね。そう一言言葉を発して宮國さんのネクタイに手を掛けた。









(周りの目線が怖い、なんて言えない。)

(...死にそうな目してる。)




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