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* 菅野side *
「コーチ、この時の腕なんですけど、」
「阿部さんっ、今のどうでしたか?」
「内海さん、山口さんの邪魔はだめです!」
キャンプ初日からコーチや先輩にいろいろ聞いて回る忙しそうなA。
それに時々内海さんや勇人さんに絡まれていて、外から見ていて大変そうだなと思った。(山口さんは助けに行ってた。)
新人だから頑張らないといけないのはわかっているが流石に動きすぎじゃないかな。
「あ! 僕が投げますよ!」
ほら、今だって昼食の時間なのに大田泰示の練習を手伝おうとしている。
僕の今日の練習はこのあとにウエイトを行う軽い調整で終わりなので、2人の「ランチ特打」を少し離れたところで見守る。
「...っと、A今のどう? ヒット性ありそう?」
「うーん、少し引っかかってるかもしれないです。
ほんの少しだけタイミングずらして振ってみてもいいと思います。」
「ん、了解。」
投手のAが泰示にバッティングを教えるなんてどんな状況だよって思うけど、泰示を見る限り納得しているようだし口を出すこともないか。
「智之、なに見てるん?」
「! 誠司か、うん、ちょっとあの2人見てた。
泰示はあの身体だからそんなに体調崩すとは思えないけど...Aは動きすぎだと思うんだよね。」
彼らの練習が始まってしばらくすると誠司に話しかけられた。どうやら今晩の飯を一緒にどうか、と誘いにきたらしい。返事はYesだからすぐに返した。
「...あぁ、監督とコーチにも言われたわ。頃合いみて声掛けろって。」
「...それ忘れてたなんて言わないよね。」
「...ははっ、じゃあ先に休憩入るから。よろしく頼んだ。」
あいつどれだけ逃げ足速いんだ。つか捕手なんだから忘れるなよ。
「......... 」
誠司から監督の言葉を勝手に引き継がされたので2人の練習がキリよくなるまで待機する。
20分も経てば午前中からぶっ通しのため、見るからに疲れが出始めてスイングも腕振りもひょろひょろ。
頃合いかな、そう思って2人に声を掛けた。
「泰示、A、そろそろ休憩しないと午後の練習に影響出るぞ。」
(...誠司から飯を誘ってくるなんて珍しい。)
(...A誘っといてな。)
(そっち目当てか。)
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時