#俺の彼女が可愛すぎてツラい

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『…お待たせしました』


「おかえり、そろそろ帰る？」


『あ、うん』




午後六時半、余りにも健全過ぎる時間。


いやでも、高校生ってこんなもん？


龍斗くんとのちょっとした年の差ギャップを感じつつ、電車に揺られ最寄り駅を目指す。




『…龍斗くん、』


「ん？」


『楽しかった？』


「え？そりゃあ、すごく楽しかったよ、」




不思議そうな顔をしたあと、すぐにニコニコとした顔に変わる。


ほんとかなぁ、


待ち合わせをして、数時間何かをして、すぐに解散。


手を繋いだり、キスをしたり……もちろんそれ以上のことも無し。


これって本当に付き合ってます！？


女の子の友達と遊ぶのと変わらない気がする。




「Aちゃんは楽しくなかった？」


『ううん、そんなことないよ、……楽しかった』




でも、自分からどうこう言える勇気なんて持ち合わせちゃいない。


今日も、幼なじみの元へ直行かな、と龍斗くんにはバレないように小さくため息を吐いた。




『龍斗くん、今日はありがとうね』


「うん、気を付けて帰ってね」




小さな不満は、やがて膨らんでいくって言うけれど。


龍斗くんのことが好きだから、何も言えず、何も起こせず。




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