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『っふーーーーー…』
机の上に置かれた資料と向き合うA。
内容は先日取り締まった敵が売っていた薬のルーツ。
『ぅーーーーーー。はぁ…』
「俺の体内時計で数えたら53秒。肺活量スゴイね」
その向かいに座るプロヒーロー、ホークス。
数分前にアプロス事務所を訪問してずっとここに座っている。
『世界一使い所のない数字ですね』
「クイズ番組で使ってもらえるかもよ？「アプロスのため息は何秒か」みたいな」
『どこも使わないですよ』
ホークスと初対面ではない。
当時、Aのデビュー戦でホークスは現場にいた。
「ホークス。アプロスの仕事の邪魔なら串焼きにしますよ」
「いやいや、そーいう訳じゃないし。料理しないで」
『ヴィロナご飯美味しいからいよいよお母さんだよ』
「ホークスの丸焼き？」
「針こっちに向けないで！！」
ヴィロナはホークスを敵視する程嫌っている。
理由はAのデビュー戦後、どのヒーローよりも速くAを勧誘した。
「なんかネットニュースになってましたよね。アプロス、デビュー戦後ホークスに事務所勧誘される！？的な感じで」
1人の男相棒 がつぶやいた。
『正直に言うと震えました。取材陣も出し抜いて挨拶よりも先に「ホークス事務所に入らない？」でしたもん』
「そう、それ！学生の時にアプロスが建てた事務所に入るって約束して心待ちにしてた私の気持ちよ！！」
当時そのネットニュースを見たヴィロナはAに鬼電をかけていた。
本人曰く母に怒られる程叫んだそう。
『すいません。仕事…と言っても資料に目は通せましたのでホークス、あとは客室で』
「ほいほい」
ここで話していては他の相棒たちに迷惑なため、ホークスと共有仕事部屋を出た。
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作者名：射歩 | 作成日時：2024年3月24日 14時
