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彼らはAと特別では無いが、それなりの仲だった。
名を名乗ってくれてAは3人を思い出した。
「てか今普通にAって呼んでいい？」
『大きい声じゃなかったらいいよ。
久しぶりだね、元気だった？』
「元気だけど全員フリーター。
ヒーローになったってスゲーな！」
ヘラヘラしながら馴れ馴れしく話してくる。
そして無意識かAの三方位を囲むように立っている。
「めっちゃ荷物持ってんね、持とっか？」
『いいよ、そんな重いものじゃ無いし』
「何入ってるの？」
『お菓子とか文房具。事務所のみんなへのお土産』
「やっさしぃー！
あ、久々に俺らと遊ばね？」
『そうしたいのは山々だけど、後で清水寺に行かないと行けないんだ』
「ちょっとでもいいから！」
まるで一歩も譲らせようとしない姿勢をとってくる。
「甘いもの好きだったよな、そこの店で飲食出来るから行かね？
全然奢る」
『(甘いもの…！)』
ご飯の後にもかかわらず子供みたいに食いつく。
甘いものというワードに反応してついて行こうとすると、背後から聞き覚えのある声がかかる。
「おにーさん達ごめんね〜！アプロスは俺らと観光中だから」
「ホ、ホークス！？」
肩を掴まれてホークスの方へ引き寄せられた。
ホークスの赤い羽でAの体を男達から隠す。
「今ヒーロー一同で息抜きのための旅行してるから、なるべく茶々入れないでくれると助かるんだけど」
「それはすいません！」
「わっ悪かったなアプロス！また……」
そそくさと彼らは立ち去っていった。
3人の姿が見えなくなるまでホークスはAを離さなかった。
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作者名：射歩 | 作成日時：2024年3月24日 14時
