わらわないでください ページ6
「ほう……これはこれは。実に興味深いですね」
高所から降ってきた、艷やかな声。
衝動的に見上げれば、いつの間にやら巨人が背後で笑っていた。
＿＿ジェイド・リーチ。
実はヤバい方のリーチ先輩だ。
その圧倒的な強者の佇まいに、ヒュッと喉が閉まるような感覚を覚えた。
「まさか貴方が監督生さんを庇うだなんて。とても意外ですね」
チョコン、と首を傾げる先輩。顔が良いからそんなちょっとした動きさえ画になる。
「先輩こそ、こんなところで何してたんですか」
「課題で調べものをしに来た矢先、僕らの監督生さんを罵る輩がいたものですから。少し、お話をしようとしたら貴方が……」
クスクス笑いを漏らすリーチ先輩。
先程の行動を馬鹿にされているようで、顔に熱が登る。
「まるでプリンセスを守るプリンスのように勇ましかったですよ。どうして貴方がそんなことを」
「先輩もぼくがユウを虐めてるとか、馬鹿げた噂を真に受けているんですか。クラスメイトが貶されていたら、庇うのが普通でしょ」
「まさか。そんな根も葉もない噂を当てにするとでも？もしそれが本当だったら、今頃貴方はここにいません」
スッ、と先輩の瞳からハイライトが消える。
笑顔のままだから尚怖い。
先輩の無機質な両目が、私が抱える本を映した。
「その本、借りるんですか。よほど元の世界に帰りたいんですねぇ」
「……当たり前です」
「それは困りますね。たった今興味を持ち始めたばかりだというのに」
これはヤバいと肌で感じた。
先輩から只ならぬオーラが出ている。興味を保ち始めたって、何に？
「人間は脆いですから。夜道でひとりは危険です。宜しければ、寮まで送っていきますよ」
「いいえ。悪いので遠慮しておきます」
明らかに夜道をひとりで帰るより、この男と関わる方が危険だ。
「……宜しければ、寮まで送っていきますよ？」
「ありがとうございます……」
有無を言わさぬ恐怖の笑顔。
先輩は私の持つ本を、優しく没収して魔力の流れに乗せた。
本は空中を滑り、私の視界から外れてしまった。
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アイカ(プロフ) - ぐああああ、最後の最後でっ！！心臓だけじゃなく、臓器も持っていきやがったな‥このジェイド・イケメン・リーチがッ！ (2023年2月19日 18時) (
レス) @page41 id: ac6b3b28c7 (このIDを非表示/違反報告)
＼(^o^)／ - 待った待った待った待ったぁ？！夢主いい子すぎやろ！！(´；ω；｀)（泣） ハッピーエンドで良かったです！あとジェイドと夢主はお幸せになぁ!!!! (2022年3月29日 15時) (レス) @page41 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
・(プロフ) - *瑠璃*さん» えへへめちゃんこ嬉しいです！泣かないでください私が人様を泣かせるなど恐れ多い……読んで頂きありがとうございます！ (2020年12月11日 21時) (レス) id: 81aa5af38e (このIDを非表示/違反報告)
*瑠璃* - 待ってホントに泣いちゃうって(((((更新頑張ってください！応援してます！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: f48c22676e (このIDを非表示/違反報告)
・(プロフ) - まるるさん» 今でさえ、証拠もないのに夢主の陰口を言う奴がいますからね…。アズール先輩が何を言っても聞くかどうか…。果たして夢主がどうなるか、お楽しみください！コメント本当に嬉しいです、ありがとうございます！ (2020年11月21日 17時) (レス) id: 81aa5af38e (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年9月13日 17時
