10/29 早朝の出来事 ページ9
朝5時。いつも通り彼らよりも早く起きる。
着替えて髪を整えて部屋を出て長い廊下を歩いてると後ろから誰かに腕をひかれる。
私は自分の腕を引いたその人物の顔を見て驚いた。
『え、エイトフットさん…？』
エイト「…おはよ」
珍しく自分から挨拶をしてくる彼に再び驚いてしまう。そんな私を見て眉間に皺を深く寄せるエイトフットさん。
エイト「なんだよ」
『あ、いや、なんでもないです！おはようございます！』
そう言えば彼は私の頭をぽんぽんと撫でて満足そうに笑った。…なんだか今日は機嫌がいいみたい？
私の頭を撫でていたエイトフットさんは手を止めるとそのまま私をじっと見つめる。
…なんとも気まずい空気になってしまった。
『……あの』
話しかけようとした瞬間、私の身体は何かに包まれた。それは、目の前にいる彼、エイトフットさんの温もり。私は抱きしめられたのか、と1人で納得した。
『エイトフットさん…？どうしたんですか…？』
エイト「……いや、別に。悪ぃ」
そう言うとぱっと私を解放して背を向けて部屋へと戻ろうとする彼。…なんだか少し寂しい気持ちになってしまう。そんな気持ちが顔に出てたのかエイトフットさんは振り返って口を開いた。
エイト「あー…いつもありがとな」
『！』
照れ臭そうにそう言ってそのまま部屋に戻ってしまうエイトフットさん。
今日はほんとに珍しい…彼からあんな言葉を貰えるなんて…。なんだか頬が緩んでしまう。
頬を緩め浮かれながら私は朝食の準備をしにキッチンへと向かった。
・
エイト「くそ……」
部屋に戻ったエイトフットは扉に背を預けて顔を覆って1人でぽつりと呟いた。
エイト「何の為に早起きしたんだよ…」
ずるずるとそのまま床に座り込むエイトフット。
彼はAと別れる前に自分の気持ちを伝えようと思っていたらしい。
あともう少しだったのに言葉が出なかった。
もっと素直になれたら…なんて考えるエイトフット。
彼は、あと2日で彼女に自分の気持ちを伝えることが出来るのだろうか…？
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狐白(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで楽しく読ませていただきました！次の作品もぜひ読ませていただきます！これからも、応援しています(*^^*) (2018年12月27日 10時) (
レス) id: a04fe6be78 (このIDを非表示/違反報告)
silk-シルク-(プロフ) - 狐白さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年12月23日 0時) (レス) id: 96f6fa814a (このIDを非表示/違反報告)
狐白(プロフ) - すっごいドキドキします!!更新頑張って下さい！ (2018年12月22日 19時) (レス) id: a04fe6be78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：silk-シルク- | 作成日時：2018年12月1日 23時
