10/26 2度目の変化 ページ4
ヴェ「……」
今日は何故かヴェールさんが静かだ。
いつもならベルをチリンチリンと鳴らして歌っているのに。何かあったのかしら…？
私は椅子に座ってぼーっと窓の外を見つめるヴェールさんに近づいて声を掛けてみた。
『ヴェールさん』
ヴェ「あら、Aさん」
『何かありましたか…？いつもより元気がない気がして…』
ヴェ「……聞いてくださる？」
『もちろん』
そう言って彼女の隣に椅子を持ってきて自分も座る。ヴェールさんは窓の外から顔を私の方へと向けて静かに話し出した。
ヴェ「最近、体がすごく重くて声も出にくいんですの」
ぽつり、と呟いた言葉に私は耳を疑った。
ヴェールさんまでもが元の姿に戻ろうとしている。
ヴェ「私もうダメなのかしら」
『そんなこと言わないでください』
ヴェ「…Aさん？」
『まだ、大丈夫です。だから、そんなこと言わないでください』
ヴェールさんの手を握って話をする。ヴェールさんは驚いたような顔をした後、いつも通りの優しい微笑みで「ありがとう」と返した。
ヴェ「じゃあ、今日のリクルーティング頑張ってきますわ」
『はい、頑張ってください！あ、帰ってきたらお話聞かせてくださいね』
ヴェ「ええ」
そう言ってヴェールさんは椅子から立ちあがってリクルーティングへ向かう準備をしに部屋を出た。
『………』
残された私はさっきのヴェールさんと同じように椅子に座ってぼーっと窓の外を見つめ考える。
この前はジャックハートさんで今日はヴェールさん。それと、エイトフットさんも最近、よく爪を噛んだり目が霞んだりしているみたい。次々と起こるリクルーター達の変化に私はただただ寂しさを感じる。けれど、二度と会えないなんてことはない。絶対に彼らを私のモノにする。諦めてなんていない。
『あとはダルメシアさん、マルフィさん、ファージャさんだけ…』
ポケットから3人分のブレスレットを取り出す。
昨日、アップルポイズンさんに渡したものと同じ、それぞれモチーフにした飾りがついている。ファージャさんだったら赤い羽根、マルフィさんなら鴉、ダルメシアさんは首輪…。
ちなみに、ヴェールさんにはさっき手を握った時にこっそりと鐘をモチーフにしたブレスレットを付けた。このブレスレットで彼らを私のモノにする。自然と顔がニヤけてしまう。
素敵な悪夢を魅せてくれたお礼に私から彼らに素敵な"呪い"をプレゼントしよう。
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狐白(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで楽しく読ませていただきました！次の作品もぜひ読ませていただきます！これからも、応援しています(*^^*) (2018年12月27日 10時) (
レス) id: a04fe6be78 (このIDを非表示/違反報告)
silk-シルク-(プロフ) - 狐白さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年12月23日 0時) (レス) id: 96f6fa814a (このIDを非表示/違反報告)
狐白(プロフ) - すっごいドキドキします!!更新頑張って下さい！ (2018年12月22日 19時) (レス) id: a04fe6be78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：silk-シルク- | 作成日時：2018年12月1日 23時
