65 ページ15
＊
あぁ、自分が…人間であったなら
そう思うことは何度だってあった
それも数えるのを辞めるほどの年数を
ただ一人を待つために生きていたなら特に
彼女の為に生き続ける
彼女が生まれ…
人間のほんの短い生を全うするまで
否
彼女が後世に続く有力者を産むために
良き伴侶を見つけるまで
彼女の愛が他者に向くまで
なんとまぁ残酷なことか
グルッペン
「非常に面白くない」
同時に興味深いし、それは面白いと言えた
グルッペン
「こんなに長く生きて
人の愚かさを学んで
それでも尚、目に映った『運命』に心を惹かれる
こんなおかしなことがある世界も不思議だな」
オスマン
「絶対俺に金平糖出させてする話ちゃうんやけど」
トントン
「まぁまぁ…久しぶりに、やろ」
コネシマ
「年代的には大先生で一区切りやもんな」
鬱
「いや…僕70年くらいは違うんやけどな…」
細かいことは気にするなとコネシマが笑う
70年なんて誤差だろうとトントンが雑に金平糖を投げる
鬱
「うま」
グルッペン
「いや、俺が話したいのはそういうんじゃなくてな」
彼女の死後
我々はどうするかという話だった
というのも長く長く、生きてきた
彼女が生まれるまでの長年
生きることを得意としてしまった
故に
生きないことも簡単だが、生きることも出来るだろう
あぁ、いや…
グルッペン
「お前は別か」
トントン
「ん？あぁ、せやな
俺はどう足掻いてもお嬢の死に直結しとるから
終われば勝手に死ぬで」
コイツはそこにしっかり覚悟があるから
特に気にしては居ないのか
俺自体も死が怖いのかと問われたら
そんなことはなく
寧ろいくらでも殺してきた側なのだから
いっそ殺されて当たり前とまで思っている
そう易々と殺されるつもりもないが
「グルッペンはどうするつもり？」
グルッペン
「………主」
鬱
「どっから入ったん…？」
背後からひょこりと顔を出した自分の主に肩が震えた
それを見て笑うオスマンは後でとして
扉は向こう
背後は距離こそあるが壁
どこから、と見れば
手首には紫の糸が縛りついていて、大体は察した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
吏由 - 初コメ失礼いたします。今更になってしまいますが完結おめでとうございます〜新感覚(？)のお話が見れました…満足感をありがとうございます！貴方様の他の作品見て参りますね (2022年9月27日 21時) (
レス) @page30 id: d4efbb01c8 (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！主役達の設定がすごく細かく丁寧で表現の仕方や「ここで？！」といった一生読んでても飽きない展開のストーリーがとても面白かったです！いつも素敵なストーリーをありがとうございます！ (2022年9月24日 1時) (レス) @page29 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎度の事ながら主役たちの設定が丁寧で素晴らしかったです……！夢主の愛し方？愛情表現も凄く良かったです！！素敵な作品をありがとうございます！！どうかお身体に気をつけて下さい、応援してます！！ (2022年9月23日 11時) (レス) id: 998524a2ed (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 完結お疲れ様です!主様の作品どれも面白くて大好きです! (2022年9月23日 8時) (レス) @page29 id: 0f366d5932 (このIDを非表示/違反報告)
ui - 続編おめでとうございます！、これからも応援してます！！ (2022年9月22日 19時) (レス) @page17 id: ae35af7cd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
