14話 本来の目的 ページ16
「ど、どういうことですか？」
理解が追いつかず、緑谷は眉を寄せる。
『知ってると思うけど 私とマイトは幼馴染みd…』
「えええええええええ!!??」
突然の大声にオールマイトと莉華の耳がキーンと鳴り、一方の緑谷は目玉が飛び出すんじゃないかという程に目を見張り、口をパクパクとさせながら驚いていた。
『…え？もしかして言ってなかったの？』
「なかなか…言うタイミングがなくて…」
大きい体で人差し指同士を押す姿はなんともアンバランスで、成人男性がやるには違和感があるようにも見えるが、莉華にはそんな姿が可愛く見えた。
『(これが世間で言うギャップ萌えってやつかな？)』
「あ…あの」
オールマイトをじっと見ていた莉華に緑谷が遠慮がちに声をかける。
『あ、ごめんね まっそういうことだから!』
「(なんか軽い!)」
『USJの時 私が雄英(ここ)に来た理由を話したのは覚えてる？』
「確か 一から学ぶためでしたよね？」
『あれね 半分嘘』
「えええ!?」
『半分は本当だよ 本来の目的があるだけで』
「本来の目的？」
莉華は微笑みながら、スッと真剣な眼差しになる。
「(あ…この目)」
─最初に会った時と同じ目だ
緑谷は無意識に背筋を伸ばしていた。
『私の目的は 君の成長を見届けるため』
凛とした声が、酷く静かな室内に響いたような気がした。
「僕の…？」
『実は最初会った時ね どこにでもいる普通な子だなって なんでこの子なのかなって思った…』
スッと立ち上がり、被っていた帽子を取る。笑みは消え、瞳だけではなく、表情までもが真剣さを物語っていた。見慣れない表情に緑谷の背筋が更に伸びる。
『…ごめんなさい!』
「……はぇ？」
突然謝る莉華に驚き、間抜けな声が出た。
『USJの時 君が真っ先にマイトの助けに入ったのを見てわかった 外見でも個性でもない 君だから…………君だから力を与えたんだって』
「!!」
『一瞬でも失礼なこと考えた だから…ごめんなさい』
その言葉に緑谷の心が疼く。嬉しくて嬉しくて、顔がニヤけるのを必死に抑えて言った。
「あ、謝らないで…ください! 僕、頑張ります! 頑張るので、見ていてください!!」
顔を上げれば、真っ直ぐな瞳を持った少年がいた。どんな壁でも困難でも、この拳で越えてみせるという強い意思を感じた。
『…フフッ カッコイイねぇ緑谷くん』
「へあっ!?///」
続く (更新停止中)
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伊瀬(プロフ) - てくさん» 作品へのご指摘ありがとうございます。確認して、オリジナルフラグを外したと思うのですが、ちゃんと外れていますでしょうか？自分で確認するにはどうしたらいいでしょうか？質問ばかりですみません。 (2017年7月31日 8時) (
レス) id: 73a80f0bce (このIDを非表示/違反報告)
てく - 違反になりますので、オリジナルフラグを外していただけませんか？ 作品作成のルール・注意点・ガイドラインにも載っていますのでおめ通しください (2017年7月16日 19時) (レス) id: 42191458d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊瀬 | 作成日時：2017年7月16日 9時
