井上瑞稀と私が出会う話。 (ページ23)

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女の人だったら家泊まってく？とか言えるけど、相手は男だ。

いくらなんでもやばいだろ…………

でもこの天気だしな………雨で濡れて風邪ひいてしまって仕事に支障が出ても可哀想だな……

グルグルと色んなことを考えた挙句

「井上さんが大丈夫だったらでいいんですけど……こんな天気だし外危ないので、もしよかったらうちに前泊しますか？」

そう言ってしまった。

少し間が空き

井上「本当に……申し訳ないんですけど、それでも良いでしょうか？」

真剣な顔で申し訳なさそうに言う井上さん。

こんな人が変なことをするのも想像できないし、元仕事相手のこの距離感だし(？)

泊めてあげることにしよう。

「1LDKなのでそんな広くないですけど、風邪ひいてしまっても明日あれですし…………」

井上「僕が電車間違えたばかりに……本当にすみません。よろしくお願いします」

井上さんは深々とお辞儀をし、その後2人でご飯を買って家に向かった。

もちろんビッチョビチョで帰宅して井上さんにタオルを渡す。

「狭いですけど、上がってください」

井上「すみません、お邪魔します……」

私の部屋はそんなに広くないけどものが少ないので割と片付いてる方ではある気がする。

リビングは白と黄緑基調で、小さいテーブルとテレビ、リビングの端にはMacやサブモニターなどの作業スペースがある。

左に1部屋あり、そこにはベットひとつとタンスといった

いたってシンプルな一人暮らしって感じだ。

「とりあえずご飯食べますか！リビング好きに使ってください」

2人で喋りながらご飯を食べた。

めちゃくちゃ緊張してるが、緊張がバレないように普通に接してる。

「そろそろお風呂入りますか？」

井上「何から何まですみません……お言葉に甘えさせてもらいます。着替えは1式持ってきてるのでタオルだけお借りします」

前泊予定だったから色々持ってきててよかった。

井上さんに貸せそうなパジャマとかないし、ほんとに良かった

井上さんがバックをゴソゴソして着替えとかでかいポーチを出してる。

スキンケアかな、高そうなの使ってんな……

私洗面所にハトムギ化粧水とか置いてあるの恥ずかしくて辛いよ…………

井上さんがお風呂には行ってる間、急に我に返ってドキドキが止まらず、ずっとバタバタと部屋を歩いて気を紛らわせていた。