ホームランを打って…【Yuto.T】 (ページ29)

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SideA

そして決勝戦が始まった。

優斗「Aちゃん、ちょっと話あるんだけどいい？」

ベンチで優斗先輩が言った。

A「いいですよ」

優斗「ちょっと長くなっちゃうかもだけど……」

優斗先輩が隣に座って少し咳払いをした。

優斗「いきなりなんだけど…………

.

.

.

俺、Aちゃんのこと好きなんだ！」

えっ…………。

優斗「前に中学で見かけたって言ってたけど、

実はその時から気になっててさ。

でも瑞稀くんがいたからなんか近寄れなくて」

そう……だったの……？

優斗「で、高校でまた会えた時は

勝手に運命って感じてさ(笑)

でも、マネージャーになったってことは

三浦さんのイジメの対象になるから

Aちゃんだけはなんとしてでも守ろうって思ってさ。

こんな気持ちになったの初めてだったんだ」

思い返してみたら

優斗先輩からマネージャーに誘ってきたり

"おめでとう"って言ってこなかった……。

優斗「だから……」

《〇番高橋くん》

優斗「この試合で俺がホームラン打って

優勝出来たら……

俺と付き合ってください！！」

そう言って優斗先輩はバッターボックスへ向かった。

梨々香「A！すごいじゃん！！」

A「えっ？」

梨々香「今の告白じゃんっ！！」

"告白"……。

そう意識すると自分でも顔が熱くなるのが分かる。

でも優斗先輩はホームランを打てずに

三塁まで進んだだけだった。