Realize【Mizuki.I】 (ページ6)

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「そーいえばもう8時だけど、家族は大丈夫そう？？」

『えっもうそんな時間、、、』

「ずっと寝てたからね。」

俺の両親はすごく優しいし暖かい。

俺が引っ込み思案で友達がいないに等しいからこそ、遅く帰ったりしてもなんとも言われない。

両親には凄く感謝している。

『大丈夫だと思う、ありがとう。』

「そっか、」

『Aさんは、？？』

「あーまあここにいるし、親いないし、、」

『え、』

「まあいるはいるんだけど、ここにはいない。どこにいるかも知らない。」

『1人でここに住んでるの、？？』

「ん、まあね、トイレも風呂も、あるから割と便利だし、、」

申し訳ないけど、ここは家といえるほど広くない。

ちょっと豪華な秘密基地、みたいな、？

「私の両親の家はもう金払えなくて売ったし、ここは婆ちゃんの土地で私が住むとこないって言ったら建ててくれたの。私だけの家。」

「まあたまにグルのやつが来たりするけどね、、笑」

グルのやつ、、なんのことだろう、、

俺には未知の領域すぎて何も分からない。

「まあ、私の話はいいの。早く、帰りな？」

俺が考え込んでいると、それを察したのか話を逸らされる。

でも俺はもっと彼女と一緒にいたい、彼女のことをもっと知りたい、と思った。

初めてに等しいほど人に興味を持った。

『あの、良かったら俺の家来る、？』

「、は？？」

『だって見る限りカップラーメンしか食べてないでしょ。』

なんとなくありそうな言い訳を作るためにふと部屋を見渡すとぱっと目に入った近くの机。

机の上には大量の空の栄養ドリンクの瓶とカップラーメンのゴミ。

『Aさんめっちゃ細いし、たまにはちゃんと食べなきゃでしょ？？
助けてもらったんだし、お返しする。』

と言うと図星か、というように苦笑いする彼女。

「お言葉に甘えたいところだけど、こんな外見じゃ家にさえ入れてくれないでしょ、、、」

『俺が説得する。悪い人じゃない、俺を助けてくれた命の恩人だってちゃんと伝えるから、！』

こんなにも自分の思ってることを口にしたのは初めてだ。

なんか今日は初めてのことだらけで自分でもびっくりしてるけど、彼女は俺の人生を変えてくれそうな気がする。

気がするだけだけど。