Realize【Mizuki.I】 (ページ3)

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カランカランと鉄パイプが転がる音が聞こえる。

反射的に瞑っていた目を開くと、

その男2人組がフードをかぶった何者かに殴られている。

〈はっ、！てめえ、あのグルのやつか、、クソ、行くぞっ、！〉

と言い捨てて逃げて行った。

『あのっ、すみません、、』

よく見るとフードから金色の髪が出ているから女性だろう。

でも顔はマスクでわからない。

「ったく、なんで殴り返さないかなあ、、」

『そんな、無理ですあんなの、俺、、』

と立ち上がろうとすると、頭がクラクラしてまた尻もちをついてしまう。

「はあ、、手がかかるなお前は、、」

と言うと背中をこちらに向けて腰を下ろす。

『え、？』

「え？じゃねーよ、運んでくっつーの。」

『いやいや、え？』

「はあ、人の親切を無視すんの？」

「そんなボロボロな人置いてくわけねえだろ、、」

久しぶりに人の親切に触れて思わず涙が出そうになるが、堪えて、
彼女の背中にそっと乗った。

いや、どんな状況、？？？

俺より背の小さい女性におぶられてる俺、って、、！！！

だけどなんだが彼女の背中は暖かくて。

香水の匂いがキツイけど、久しぶりに人の暖かさを感じて眠たくなってくる。

クラクラする頭も彼女の背中に預け、そこから俺の意識はなくなっていった。