瑞色 ４ ページ42
私もメインメニューを決め、瑞稀くんは店員さんを呼ぶ。そして去っていった後、単刀直入に質問した。
「あの、瑞稀くん」
「ん？」
「……なんで、また誘ってくれたの？」
そう言うと、瑞稀くんは頬杖をつくのをやめておもむろにスマホを取り出した。それから指が画面を滑り。見せてきたのは──QRコードだった。
え？これって、友達追加のやつじゃん。
「連絡先、交換したいなって」
──「お願いA！ついてきて！お金いらないの、ほんっっとについてきてくれるだけで良いの！」
まだ中学生だった頃、あれは夏休みだった。いきなり伶衣から電話がかかってきた。身内の不幸で、連番の約束をしていた友達が行けなくなってしまったらしい。
このときすでに、伶衣は涼くんが好きで。クラスにジャニオタはいたものの、Jrに手を出しているのは伶衣とその子だけだった。
もちろん、ジャニーズなどサラサラ興味無かった私。でもチケット代いらないし！六本木だし！と言う不純な理由でついて行くことにした。
「本当にありがとう、助かった！」
オールスタンディングの会場だったけれど、私たちは二階の指定席だった。しかも二列目のサイドで、今だったら楽しみでしょうがない席だ。
周りを見ると、可愛らしくデコられたうちわ。わからない名前だらけ。何て読むの！？伶衣も初めてのライブらしく、話していたらあっという間に暗転した。
まだ対決式だったあの頃。とりあえず一人一人見ていると──目をひいたのは、まだ小さくて、クリッとした大きな瞳をした男の子。
それが、井上瑞稀くんだった。
アイドルになんてハマるわけがない。そう思ってたのに。いつのまにか、公演中瑞稀くんを追いかけていた。
ー「誰か好きな子いた？」
「……うん、井上、瑞稀。くんだっけ？すごい可愛いね」
「嘘、ほんとに！？ね、高校生なったらはしみずしよう！」
何を言ってるんだ、と思ったけれど。高校生に上がってからバイトを始めたこともあり、瑞稀くんがいる現場には当選分必ず行くようになった。
瑞稀くんの隣には、いつも涼くんがいたから。私と伶衣は、どんどんのめり込んでいった。
確かに、他の人もカッコイイなと思う。でも最終的に、私の中の一番はやっぱり瑞稀くんで。
何年も、瑞稀くんだけが好きだった。
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
