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悔しくて、私もまた隣に座る。さっきから泳いでる視線。何が言いたいのよ。
「私のこと避けてる？」
「別に」
「避けてんじゃん。私帰る。ごめんね、押しかけて」
「だから！」
いきなり大声をあげたものだから。ビクッと震えた肩と。次の瞬間、抑え込まれた手首。そのまま体重をかけられ、ドサッと押し倒された。
声が出ない。カーペットに広がった、乾きかけの黒髪。
「自分がどんな格好してるかわかってんの？……マジで、襲うよ？」
水分をたっぷり含んだ、綺麗な瞳が私を見つめる。苦しい。嫌だ、そんな目で。見ないで。胸が、わからないけど。掴まれたように痛くて。
あぁ、そっか。私の知らない龍我がいることが、私から龍我が離れていくことが、怖かったんだ。
ずっと一緒にいたくて。全部知りたくて。もしかしたら、龍我を先に男として見ていたのは。私の方だ。
「……りゅ、が、なら……良いよ？」
無意識に開いた口、呟いた言葉。見つめたわずかに開いた瞳孔。喉仏が上下に動いたのが、しっかり確認出来た。
耐えきれず視線を移す。とんでもない返事をしたことに、今更気づいた。
「バカ。何言ってんだよ。……嘘に決まってんじゃん」
──うそつき。龍我は私の手首を解放すると、頭をかきながら部屋を出て行った。頭が、パンクしそうで。
だって、龍我からあんなこと言われると思わなくて。時間差で、頬が熱くなってきた。
この日は結局、晴れたこともあり足早に家を出たのだった。
ー最近、一緒に帰ってないなぁ。なんてふと思った、退屈な現文の時間。前も隣も熟睡してる。あの日から、龍我が素っ気なくなった。
なんとなく分かってた。幼なじみの壁が、おふざけの関係が、壊れかけてること。やっぱり冗談じゃなかったんじゃん。
亀裂が入った関係は、何十年と築いて来た関係は。修復出来ないのかな。
久しぶりに、一緒にアイス食べたいな。バカな話して、たくさん笑いたい。でも、そんな日来るのかな。
押し潰されそうな感情。後ろの私を見つめる視線に気づくはずもなく、机に突っ伏した。
ー「は？」
「えっ？」
「何言ってんの？」
「一緒に帰ろって」
あぁぁあぁあ。意味がわからない。ボーッとしながら帰りの支度をしていると、話しかけて来たのはあの龍我だった。
思わず聞き返してしまった。私に言ってるよね？
「……帰る」
何週間かぶりに、いつもの自転車の後ろに乗れるんだ。
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
