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ぎゃあぎゃあ言い合いをしていれば、やっとたどり着いた家の前。ボサボサの髪と、雨で重たいローファー。
制服が張り付いて気持ち悪い。
「風邪引くなよ」
「ありがと。龍我もね」
早口で別れをつげ、私は鍵を取り出そうとバッグをあさる。あぁもう、プリントやらノートやらも被害を受けてる。乾かさなきゃ。
ぽたぽたと、毛先から落ちる雫。いつもの内ポケットは、空っぽ。へ？何で？嘘でしょ？やだ、こんなときに限って？
ダメ元でドアノブを引くも、ガチャン！と大きな音をたてるだけで。もちろん家には誰もいない。三秒ほど状況が飲み込めなくなった。
……鍵を、忘れました。
ー「ほんと、ごめんなさい。龍我様。あぁ龍我様」
「こんな日に鍵忘れるとか。どっか抜けてるよね、A」
飛んでくるタオル。見事キャッチ。憎まれ口を叩かれてもしょーがない。ただいま徒歩五秒の龍我の家。
龍我も部屋着に着替えたばかりなのか、まだ髪の毛が濡れていて。とんだ迷惑をかけてしまった。
「ほら、全然拭けてない」
「わっぷ！やだ、ぐしゃぐしゃにしないでよ！」
龍我は私の髪をタオルでわしゃわしゃと犬のように擦る。やめてよ！傷んじゃう！そんなとき。ふと止まった腕と、直に感じる視線。
思い切り見られていたのは、胸元で。黒のキャミソールが、これでもかとくらい透けていた。
「……着替え、持ってくる。制服、リビングのハンガーかけといて」
ふいっと背けられた顔。とんとんと、二階に上がる足音が微かに聞こえた。今まで見たことのない瞳の色、だったのは。
きっと気のせいだ。
「サイズどお？」
「ぴったりワンピース。龍我、おっきくなったんだね」
宿題手伝ってくれたら嬉しいなぁ〜？と、わっかりやすいアピールを受け。机に広げられたのは、よりによって化学のプリント。どうやら龍我のプリントは無事だったらしい。なんで。
隣にちょこんと座ると、なぜか龍我が横にずれた。ぽっかり空いたスペース。は？何それ。地味に傷つくんですけど。負けじと詰め返す。また横にずれる。
「はー？私のこと嫌いなのー？」
「そゆワケじゃないけど」
「意味わかんない。ほら、やろ」
変なの。私は勝手にシャーペンを借り、早速問題文を読み始める。しかし。突然立ち上がり、向かい合わせで座る龍我。
あ、そうですか。そんなに近くにいてほしくないんですか。ムカつく。さっきまで、二人乗りしてたのに。
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
