涼想い ７ ページ15
ー「桜田、橋本先輩呼んでるよ？」
「さいってー。今そんな嘘やめてくれる？」
「いやマジなんだけど。待ってるよ？」
「シバく」
全てのやる気をそがれ、朝からボーッとしていれば。不意に優斗が私の肩を叩き、机まで揺らしてきた。元気だなぁ。
仕方なくドアの方に目をやれば──確かにそこには、涼先輩がいた。え？バチッと合った目と目。わかりやすいくらいに、そらした。
……え、何でいるの？気まずいんですけど。
「ほら、行ってきなよ〜。何か手に持ってるし。チャイム鳴っちゃうよ〜」
口をへの字に曲げ、おずおずと先輩の元へ寄る。あんなことがあったのに、どこか嬉しい自分がいた。
「あの！ごめん、昨日。緊張してぜんっぜん話聞いてなかった。俺妹いないよね！？」
廊下に出れば、涼先輩は勢いよく謝り始めた。おかげで、通りすがりの生徒からの視線をひとりじめ。恥ずかしっ！？
今緊張って単語が聞こえたけど、きっと気のせい。
「……い、いないと思います……？」
「だよね！俺弟だから！」
何の会話ですか！？廊下に響き渡る予鈴。先輩は頭をかく。……へ、今日ワックスつけてないんだ。新鮮。
いつもはくるんとしている前髪が、ストンと落ちている。これはこれで、十分カッコイイ。やだ、私まだ涼先輩のこと好きなんだ。
「でね、その。昨日誕生日、だよね？おめでと！」
「え？」
元気に手渡されたのは、紛れもなく見覚えのあるラッピング。中身を見れば、もちろんそこには私の選んだバレッタが入っていた。
なん、で？朝から処理しきれない脳内。よほど間抜けな顔をしていたのか、わざとらしい咳払いが聞こえた。
「言いたいこと、あって」
ポカンとした表情を浮かべるAちゃん。まだ間に合いますか？
今日から、『涼先輩』じゃなくて。『涼』って、呼び捨てで呼んでほしい。
「俺と、付き合ってください」
ー制服の魔法 橋本涼編 ENDー
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
