涼想い ６ ページ14
「そっかぁ。あ、ねぇ最寄りＩ駅だよね！
送るよ」
「や、全然！大丈夫です！私この後家族でご飯行くので！今日はありがとうございました！」
ワケのわからない嘘をつく。私は涼先輩の返事も聞かず、ペコリと浅く頭を下げ駅へと走り出す。あーあ。何のために、オシャレしたんだろ。
バッッカみたい。何であんな毎日ウキウキしてたんだろ。こまめにスマホチェックしてたんだろ。
最悪な一日だ。こんな誕生日、ある意味初めてかも。私は電車に乗り込むと、ドアに寄りかかり下唇を噛んだ。
✱ ✱ ✱
「は？失敗したの？何で？」
「……何で？何でだろ？何か逃げられた？」
「意味わからない。じゃあ渡せてないの？」
「まぁ。今日仮病使って帰りたいくらいダメージ受けてるわ」
野菜ジュース片手に、可愛らしい瞳をクリクリとさせるお友達の井上瑞稀。俺が机に突っ伏し死んでいると、いつもは簡単に見せてくれない宿題を見せてくれた。やざじい。
しかし！もはや写す気力すらない！だって！失敗した！！！！
「てかさ、何でお店出たときに渡さなかったの？」
「俺の中で計画あったの。プレゼント買います〜、ご飯行きます〜、帰り道で告白します〜って」
「はしもっちゃんってアホすぎなとこあるよね。勘違いされた時点で何か言えば良かったのに」
ため息を吐き出された。偶然見つけた、AちゃんのSNS.誕生日が登録されていて、この日に告白しよう！って決めてた。ストーカーじゃないよ！ほんとたまたま見つけた！
なんとなーく、わかってた。「この子、もしかして……？」って。そしたら俺も気になっちゃって、いとも簡単に落ちてしまった。
……きちんと考えたのにぁ。心臓バクバクさせながら、一日過ごしたのにぁ。昨日帰ってから送ったメッセージは、いまだに既読がつかない。
「今プレゼントあるの？」
「うん」
「なら渡しちゃいなよ。まだ間に合うと思うけど」
「……ほんと？マジ？まぁ瑞稀が言うからマジ……
？」
「そーそ、俺が言うからマジ」
バッグの中から取り出した、ピンクの袋。……受け取って、くれるのかな。こんな風に終わるなんて、嫌だ。だったら行くしかない。
よろよろと立ち上がれば、瑞稀は「いってら〜」なんて軽く手を振る。玉砕したら、今日は焼肉食べ放題付き合ってもらおう。
すっかり魂が抜けた状態だったから、久しぶりにノーセットで来てしまった。少しばかり邪魔な前髪を、指先で流した。
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
