飛蜜 ６ ページ6
「何気初めてだよね、同じクラス」
そう言いながら、那須くんは買ったばかりであろうミルクティーのキャップを開ける。ミルクティーは、苦手になってしまった。さりげなくそらした視線。
「そーだ。ね、知ってる？」
「ん？」
「米国の大学って、三年制らしいよ？」
ピタリと止まった、指先。那須くんはそのまま離れ、友達の輪の中へと入っていった。
……三年制、なんだ。一年短い。時計を見れば、まだ朝のHRが始まるまで時間がある。スマホを取り出し、飛貴の行きたいＫ大学とやらを調べてみた。
トップページには、まるでお城と見紛うかのような大きな校舎。やっぱり美人な学生が多い。キャンパスがとっても広く、米国でNo.2を誇るみたいだ。
ここに、行きたいんだ。ここが、第一志望なんだ。偏差値が高ければ、倍率も高い。
何も知ろうとしなかった。ただ、自分の気持ちを優先してた。でも、私はやっぱり。飛貴のこと、応援したいよ。
今さら話してくれるのかな。そもそも、今そんな時間あるのかな。思い切って、たった数メートル先にいる那須くんにメッセージを送ってみた。
『飛貴って今忙しい？』
『何か出願するに当たって、TOEICのスコア必要らしくてその勉強に力入れてるみたい。
ま、少しくらい大丈夫でしょ(笑)』
すぐに来た返事を見て、肩を落とした。……と、TOEIC……。英検じゃないんだ……。やっぱりもう、狙っている世界が違くて。
負担になりたくない。そんな一心で、連絡出来ずに季節は巡る。
そして。『あの日』から、一年が経った。
ー「ありがとうございましたー」
ペコッと会釈をして後にした職員室。やっぱり職員室って、苦手だ。悪いことして呼び出された気分になる。
私はAOで大学に進学することにした。最近小論文添削のため、こうして放課後居残りをしていることが多い。
外に出れば、まだ日は沈んでない。野球部の元気そうなかけ声が聞こえた。夏の風が、髪をなびかせた。この香りも、このシチュエーションも。いつも私を悲しくさせる。
もう隣に、飛貴はいないんだ。いや付き合ってたワケでもないんだけど。
「え……？」
呼び起こされた。この光景は、前にも見たことある。校門で、飛貴が待っているの。
止まってしまった脚。いや、これは絶好のチャンスでは？飛貴が違う人待っていたとしても、たった数分話すだけだ。
大きく息を吐き出し、再び歩き出す。
「ひだ、か？」
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
