お薬捨てた？！ ページ17
平野side
病室に昼ご飯が運ばれてから1時間以上が経った。
さすがにもう食べ終わってるかなーなんて思いながらAの病室に入る。
平野「A〜ご飯食べた〜？」
A「食べたよ！」
平野「じゃあお薬飲もっか。」
A「…の…飲んだよ？」
平野「えっ？」
あんなに薬で毎回苦戦するAが薬をあっさり飲んだ？！
嘘でしょ？
平野「本当に？」
A「…ん…ほんとーだよ？」
平野「えぇ！すごいじゃん。じゃあ、点滴漏れてないかだけ確認させてねー。」
A「うん！」
おかしいなぁ…いつもより妙に大人しい気がする。
そんなことを言いつつ、点滴漏れを確認するためにAの頭元に回ったその時
平野「あっ！これ！」
ゴミ箱の中には捨てられた薬が入っていた。
平野「A、これなに？」
A「……」
平野「A、答えて。」
A「お、おくすりぃ…」
平野「何でお薬捨てたりするの？」
A「ｸﾞｽｯ……」
平野「ねぇA、泣いてても分かんないよ。どうして薬捨てたんですか？」
A「…にがいからっ…ｸﾞｽｯ」
平野「ねぇ、苦いからって捨てていいの？前も言ったよね？これはAの病気を治すために大事なお薬だって。それなのに捨てるなんてさ…」
A「…ｸﾞｽｯ…ﾋｯｸ…泣」
平野「もうAは病気のままでいいのね？じゃあ分かった。俺も海人も廉も先生たちも、もうAのところには来ないから。勝手にしな？」
A「っ…ｸﾞｽｯ…ﾋｯｸ…ｸﾞｽｯ…ふぇっ…ふぇぇぇぇーん！！泣」
平野「お薬捨てるような悪い子はもう知りません。」
泣いてるのを放置するのは心が痛かったけど少し厳しいくらいじゃないとAはまた同じことを繰り返すからね…
俺は無視して病室をあとにした。
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作者名：らいおん♪
| 作成日時：2020年4月29日 16時
