【呪術廻戦】有限の眠り姫1 (ページ33)

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31話ページ33

～ファミレス～

漏瑚「やはり、我々が束になっても
　殺せんか」

夏油「ヒラヒラ逃げられるか
　最悪君達全員、祓われる
　殺すより、封印することに心血を
　注ぐことをお勧めするよ」

漏瑚「封印？その手立ては？」

夏油「特級呪物“獄門彊”を使う」

漏瑚「じゅ、ご、獄門彊！？
　持っているのか、あの忌み物を！」

夏油「漏瑚、興奮するな。暑くなる」

と、口を開いた途端
その場にいた人達が
一人ずつ、激しい炎に包まれていく

夏油「あまり騒ぎを起こさないでほしいな」

漏瑚「これでいいだろう」

夏油「ゴホン。高い店にしなくて良かったよ」

漏瑚「夏油。わしは宿儺の指、何本分の強さだ？」

夏油「甘く見積もって8～9本分ってとこかな」

漏瑚「十分。獄門彊をわしにくれ
　収集に加える。その代わり五条悟は
　わしが殺す」

～その頃～

五条「硝子、すまない
　しばらく2人にしてくれないか」

家入「はいはい。言われなくても
　そうするつもりだったよ
　まだ仕事が残ってるしな」

五条「悪いな」

家入「・・・あまり責めるなよ」

五条「ﾌｯ。善処するよ」

カチャッ

少しばかり沈黙が流れる
そっと名前の隣に腰かけ
彼女が眠っている姿を眺める

美しい

そう言うと、不謹慎だろうか
でも、本当に君は綺麗だった

優しく名前の髪をかき上げ
そっと頬に触れる

こんなに温かいのに
まだ、心臓も動いているのに

どうして君は眠っているのか
どうして目を覚まさないのか

巻き戻した時間だけ眠りにつく

そんなの分かってるけど
早く目を覚まして欲しい

僕は不安なんだ
このまま、目を覚まさなかったら
このまま、息を引き取ってしまったら

きっと、僕は僕でいられなくなる

君の身体は弱っていて
触れたら、触れた分
壊れてしまいそうで

時々、動くことを躊躇う
悪戯な君の心臓に
いつもハラハラして

静かに唇を噛みしめる

五条「なぁ、そろそろ起きてよ
　僕の可愛い眠り姫さん」

触れるだけのキスをして
君の目覚めを待つ