愛の行方 【JW赤×緑】

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「おはよ」


窓を開けて顔出す。

声をかけられた本人は少し困ったように笑いながら嬉しそうなのがよく分かった。


緑「おはよ。ありがとな」
「ええよ。俺がしたくてしてるだけやし」


助手席に乗り込んで神ちゃんが可愛くてしょうがない

今日から一緒に出勤する事にした。
朝、神ちゃんの家まで迎えに行ってそっから一緒に出勤。

会社一緒で向かうところも一緒。
部署は違えど始業時間も一緒だからこれもチャンスだと思って提案したのだ。

「それは悪い」と言いつつ、俺がしたいからと押せばありがとうと笑った。

照れたように笑う素直なその1面がまた好きになる要因。


緑「てかさ」
「うん？」


信号待ちで車が止まる。

朝のラッシュを抜けて角を曲がり、
少し直進すればすぐ信号に捕まってしまった。

エンジンの音にかき消されるかかき消されないか位の小さな声が耳に届いたのは停車しているからなのか、神ちゃんの声だったからなのか。

そんな甘ったるいことを考えてしまう位には俺の頭はのぼせているらしい。


緑「別れたよ。彼氏と」
「……そっか」


緩くアクセルを踏んで発進させる。

俺は待ち望んでいた別れだが神ちゃん的には酷く辛い決断だっただろう。

今すぐにでも抱きしめたいけれど運転を誤って危険な目に合わせたくない。

窓の外を見ているから表情はよく汲み取れないけれど落ち込んでいるのは痛いほど伝わってきた。


ええよな。俺好きって言ったし。


緑「！」


慰めるように左手で神ちゃんの右手を繋いだ。
俺から指を絡めれば驚いていたけれどまた困ったように笑って振りほどかずそのまんまにしてくれた。

手を握り返してくれることは無かったけれど。


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7話にして投票58票、お気に入り257人…！
本当にありがとうございます！！

序盤からたくさんの方に見守っていただけているのが凄く有難いです。
これからまたまだ長くなるとは思いますがどうぞ宜しくお願い致します


しいたけくじら

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