愛の行方 【JW赤×緑】

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橙「そんで？付き合うん？」


表情全体はとても優しいものだが、目は鋭く逃がしてはくれないらしい。

もう、どうにでもなれと捨て身の精神でいままでの事をまとめて話した。


元彼がいたこと、振られてしまったこと、それは浮気が原因であること、それを知ったしげからいきなり告白された事。


ぽつりぽつりと言葉を紡いで伝えた物だから拙い言葉だったのにも関わらず、照史は真っ直ぐ俺の目を見て余すことなく全て聞いてくれた。


橙「なるほどな
……まじで直接で聞いてもいい？」
「うん、良いけど、」
橙「神ちゃんは、しげのことどう思ってる？」


揺らぎない眼が俺を見る。

人の目には性格が出ると言うけれど。
照史の目からは芯の強さとこの上ない優しさが垣間見えた。


「俺は、」

「告白してもらったのは、凄く嬉しかった。
でも、遅いって思ってん。」
橙「遅い？」
「うん」


言葉を続けない俺になんで？と目が続きを促してくる。

別に話すことに抵抗は無かった。


「しげのこと、昔好きだったから」

橙「え、」
「初恋やねん。しげが。」


たぶん小学校の頃から小さいながらにしげへ恋心を抱いていたんだと思う。
それを自覚したのは中学3年生の頃。

卒業式で第二ボタンを女子に強請られていたしげを見てとんでもなく嫌な気分になった。
その感情が嫉妬とは知っていたけれど、話したこともない名前もあまり覚えていない女子に恋焦がれて嫉妬するはずが無い。
と考えた時。分かってしまった。

しげに対して犯罪的な、世間的には許されない感情を持ってしまったこと。


そこからは友達のまま貫き通し、忘れるために彼氏まで作った。

片想いを長いこと続けてきた俺だから両思いの幸福感を初めて彼で覚えた。

だから全部気も許していたし好きだったし、 付き合ってよかったと思っていたのに。


浮気されてしまった後、まさかのしげと想いあっていた事を知った。

けれど裏切られる怖さを知ってしまった。

ただの失恋ならどれだけ良いか、と心から思ってしまう出来事がトラウマのように頭からへばりついて離れなかった。


だから、素直に受け取れないし素直に信じて愛し愛される自信が無かった。


もししげに裏切らでもしたらきっと俺は生きていけないから。


橙「……俺が思うにだけど、」


俺の思いをこぼすこと無く聞いてくれた照史が伏し目がちに言葉を吐いた

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